木村和司さんの、先日のラモスの引退試合についてのコラムの中に、印象的な言葉がありました。
「おまえ、何人お客集められる?」と、当時の読売クラブの選手はよく言っていたとか。
要するに、「自分(たち)のプレイでどれだけの人が呼べるか」がプロにとっての命題なんだと
いうことでしょうか。
一度試合を見た人が、またそのチーム、その選手を見たくて次の試合にやってくる。
その面白さをもっとたくさんの人に知ってもらいたくて、これまで見たことのない人を連れて行く。
観客が増えれば、その期待に応えようと選手も頑張る。ますます見に来る人が増える。
その繰り返しが、安定した観客動員につながる。
'97のコンサドーレは、まさにそんな感じでした。(厚別不敗神話もそれを後押ししました)
J昇格、厚別競技場の改修で2万人動員を目指した'98は、マリノス戦とジュビロ戦で目標まで
あと一歩に迫りましたが、それは対戦相手の人気あってのものでした。
今年、コンサドーレはJ2ではダントツ、J1を含めても上位の観客動員を維持しているとはいえ、
スタジアムが満員札止め、という試合はまだありません。
そりゃあ、昨年に比べればスター選手も少ないし、対戦相手も「華」がないし、試合数も多いし。
でも、昨年と違うのは、「みんながコンサドーレを応援しに来ている」こと。
中田や川口の追っかけが大挙してやってくるわけでも、中山の連続ハットトリック世界記録達成の
瞬間を見に来るわけでもない。
正直言って、今年のコンサは「こんなサッカーやってたらサポーターに見放されちゃうんでは」と
心配してしまう試合がいくつもありました(勝ち負けには関係なく)。それでも1万人入るなんて
サポーターは甘すぎるんじゃないか、という意見も否定できないな〜と思いました。
しかし、それからコンサは確かに変わりました。華やかなプレイは見られなくても、闘志あふれる
がむしゃらなプレイが増え、チーム全体から「勝ちたい」気持ちが伝わってくるようになりました。
こういう試合を続けていけば、昇格と並ぶもうひとつの目標も実現するかもしれないと思います。
厚別2万人。
J2だからって、決して不可能ではないはずですよね。