今年、こういう結果ですからフロント批判は当然なのかもしれませんが、あえて擁護してみます。
引用された99年の田中社長の発言に対する現状の評価を私なりにしてみます。
「毎年、(補強に金をかけ)、この調子で、地に足をつけたクラブ運営ができていなかった。経営改善計画には「もう、せつな的なことはやめて腰を落ち着けよう」という理念が盛り込んである」
<私見>2000年、2001年と単年度黒字を達成。補強については、2000年レンタル選手10名に対して2002年当初5名と、レンタル依存体質脱却も着々と進めていた。
「もし来年、J1に上がっていたとしても、すぐに落ちたでしょう。昇格を急がず選手育成に力を注ぎ、一度上がったら落ちないようなチームを作りたい。移籍に頼らず、北海道出身の選手を育てていく」
<私見>昇格初年度実際に残留を果たした。選手育成として、ユースの充実には力を入れている。U−12も設立し、今期ユースチームの活躍は目覚ましい。ユース出身の新居をトップ昇格させ、今期も昇格有望と思われる逸材が何人か育っている。北海道出身選手として、2000年山瀬、2001年曽田、2002年新居。2003年新人の内定2名も北海道出身。北海道出身の選手獲得、育成に対してはある程度の成果を果たしている。「一度上がったら落ちないような」チーム作りとして、2002年は降格危機に陥った場合の効果的な途中補強のための資金もプールしていた(実際には安物買いの銭失いになった)。
私の結論としてはHFCは99年時点の反省から2000年、2001年とチーム作りを進め、ある程度の成果をあげていたが2002年に大失敗をしてしまった。しかし、考え方、方向性には一定の評価はできると思います。岡田元監督の手腕は素晴らしいとは思いますが、岡田監督がユースを育てたわけではなく、山瀬をスカウトしたわけでもないでしょう。
駄目なところは駄目と言うのは当然ですが、全否定してしまっては良いところも失ってしまうかも知れません。フロント批判ばかりが目に付きますが、良いところは評価する、ということもチームを育てていく上で重要でではないかと思います。