「狂っている」などと下品な表現が出るに至り,完全に泥仕合と化したツリーに入るのがいやなので,ここに書きます。長文ご容赦ください。
私は(後援会会員でありながら)運営会社がどういう経営方針で赤字を出し続けているのか詳しくないので,道の税金投入について断定的なことを言うことはできません。ただ,何人かの人の書き込みを読んで気になったことをひとつ書きます。
「1私企業」とか,「潰れるしかない」とか,「ファンの自己満足」という言葉に欠けている視点。それは,政府・自治体は,その構成員が,各人の才能を最大限発揮するよう環境を整える義務を持つ,ということです。
たとえば吉原選手には,大学入試や公務員試験の問題を解く適性はないかもしれません。しかしサッカーにおいては彼は輝いています。そういう,ある面で才能ある人が誇りを持って生きるためには,その才能で「食っていける」社会的なしくみを作らねばなりません。スポーツ選手を含む,全ての才能ある芸術家は,文字どおり「プロ」として生きていける社会が理想だと思います。アマチュアスポーツというのは,(歴史的にも)貴族の道楽ではあっても,庶民の才能を生かすのに適した形態ではないのです。
才能ある人が,その才能によって生き生きと過ごせる社会を作ることは,ふつうの市民が使える公共施設(バスケットゴールを含む)を整備することと同じくらい大切なことです。Jリーグが,各プロチームに,自治体との協力を義務づけていることはこの意味で自然です。プロチームでありながら公的機関に援助を仰ぐというのは一見矛盾ですが,実はそうではないのです。
Jリーグが,ユースチームという形で,勉強が苦手だけど運動は得意,というような子供たちに現実的な生きる希望を与えていることを私は高く評価します。才能の発露という意味での「文化」の芽ばえと言って差し支えないと思います。同時に,HFCが経営のより一層の健全化を進めた上で,Jリーグの理念が全ての道民に認知されること,さらには北海道に関係の深い冬季スポーツにおいてもいつの日か上記才能の受け皿が作られることを心から願っています。