コンサドーレ北海道ですか。やれやれ・・・。
別にほかの自治体の住民がコンサを応援している事に僕は難癖をつけるつもりはありません。僕も1年は過ごしたとはいえ、元ある道東の住民ですし、そこに今も両親が住んでいますから。
ただ言いたいのは、たとえ札幌がコンサドーレ札幌という風にホームタウン名を「ホームタウン・リージョン(こんな言葉があるかは大いに疑問ですが)」に変えたとしても、前に書いたとおり、一体どう言うような物理的、または経済的精神的な還元をしていけるのかが問題でしょう。例えば、札幌に市民が使える広大なグラウンドを作ったとして、釧路や根室の人がどうやってそれを使うのですか?
関連して言えば、「ベルマーレ湘南」の話が出ましたので。平塚に関して言えば、例え厚木にまでホームタウンの範囲をひろげたとしても、恐らく電車でも1時間範囲の中での生活圏でしょう。その中で「ベルマーレ」というクラブの持つ地域へのアイデンティティーみたいなものの持つ役割は決して小さくないと思います。
重ねて言えば、Jリーグの理念は決して間違っていませんよ。ただ、日本にはこう言う考えかた(クラブ組織とか地域への文化的還元等々)が全くといっていいほどなかったためにトリニティ(大分ではない)ができていないだけでしょう。
何しろまだ十年経っていないんですよ。今ここでJの理念を「甘い」と断言してしまうのはいかがなものでしょうか。現に一部では鹿島や浦和、磐田だってがんばってるし、二部に関しては大分や鳥栖は例え資金が十分でなくても、恐らく札幌よりクラブのアイデンティティを住民が享受していますよ。
話が二転三転してしまって申し訳ありません。啓さんはFC東京の話しをされましたが、あそこが東京都を「ホームタウン」としているのは誰もが承知している事です。
しかし、札幌と同じように二十三区だけでも一千万人いるのに、スタジアムや街を歩いていて一体どれだけの人がFC東京を支えているのか、支持しているのか大いに疑問ですね。大体スタジアムが調布市に出来るのに何故彼らは「FC調布」と名乗らないんでしょうか。ガンバがJリーグ創設当初、関西唯一のクラブだったために吹田市にスタジアムがあるにも関わらず「大阪」と名乗って失敗したのと状況はすごく似通っていると思います。
財政の悪化をホームタウンの範囲を広げる事で解消する事など、そもそも無理な相談なんですよ。
Jリーグはまだ始まったばかりですよ。これから何十年か経って、地元のクラブに自分達の子供が通ってそこで身につけた愛着心や、もしかしたら技術が認められてプロになっていく、自分達が地元の会社に入って一握りの資金をクラブに提供する。そう言うものがもっと生まれていって、始めて「地域密着」、「住民、企業、自治体の三位一体」という壮大な理念が身を結ぶんだと思うけど。
だから結論を言うと、やっぱり北海道からの公的資金導入は断固反対です。別に北広島市からの融資は問題ないんじゃないですか。ただそれは、あなただけじゃなく北広島市民の多数の賛成があって始めて行われるべきものでしょう。
ただ僕は少なくとも、周辺自治体からの融資の申し出があったとは一度も聞いたことがありませんけど。「北広島が出さない」からと言って包括的に税金を使用しなければいけない北海道に資金援助させようというのは断言するなら「ただの驕り」に過ぎないと思います。