問題その1。
: そりゃ巨額の協賛金払ってるスポンサーに対しての面目もあるでしょうが、
: このままの形でファン&チーム無視のカップ戦を続けるのは、百害あって
: 一利なし、と私は思います。(開催日程とかの形式的な問題じゃなくて、
: コンセプトそのものの抜本的な見直しを行うことがまず必要では?)
カップ戦にも元々は基本的なコンセプトはあったんですよね。問題の本質は、
そのコンセプト自体が(少なくとも今年は)いつの間にかガラッと変わってしまったこと
にあると思うのです。
Jリーグには、ご存知のように、「リーグ戦」「天皇杯」そして「ナビ杯」という3つの
主要タイトルがあるのですが、このうち「リーグ戦」と「天皇杯」のコンセプト、意義は
比較的分かりやすい。リーグ戦は「その年のキング・オブ・プロクラブ」(と昇格&
残留)を争い、天皇杯は、日本全国のプロアマクラブが入り乱れた中での「キング・
オブ・クラブ」を争うというのがそれです。
しかし、このように「頂点をきわめる大会」ばかりしていると有望な若手の
出番がなくなるし、そういった選手に出場機会を与えることもJリーグの底上げには
必要なことだ。こういう趣旨で始まったのが、ナビ杯でした。ですから、この大会は、
もともとオリンピックやワールドカップ本戦・予選でリーグ自体が中断している
期間の、各クラブの主力がごっそり抜けている間に実施されていたと記憶しております。
加えて、Jリーグ発足当初は、「土曜日はリーグ戦、水曜日はカップ戦という風にして
若手の出場機会を増やしてはどうか」という議論すらあったはずです。
ところが、今年はそういった国際的な大会による中断期間もなく、リーグ戦の
真っ只中でカップ戦が行われてしまったためか、「若手発掘」の色はいつの間にか
消え去り、「ベストメンバーでやれ」という方向に変わってしまった。
この「変節」は一体何なのか?いったんは自分たちの手でコンセプトを固めて
おきながら、(「100年構想」という崇高な理想とは裏腹に〉たった数年で
大会のコンセプトを変えているではないか?そりゃ、各クラブの側にも
色んな思惑があるでしょうから(一攫千金を狙うとか、滅多にないJ1クラブとの
対戦を通じて経験を積むとか)、「ベストメンバー」で試合に臨むというクラブも
あってもいい。しかし、いったんは「若手云々」というコンセプトを固めた以上は、
数年間はそれを維持するという一貫性を持たせないと、カップ戦の意義をファンにとって
ますます分かりにくいものにしてしまいかねません。
問題その2。
「若手発掘なんて言った覚えはない、あくまでベストメンバーでやれ」とJリーグ
当局が主張するのなら、それはそれでいいとしましょう。問題は、その「ベストメンバー」
を一体誰が決めるのか、ということなんですが、今朝の新聞報道では、川渕氏は
それを「世間」としたようです。つまり、監督の選手起用は「主観的」なものであり、
ベストメンバーかどうかは世間が「客観的」に判断するものであると。
しかしねえ、その「世間」ってのは、一体誰なんだ?川渕さんは、博多の森まで
足を運んで、観客に「今日の布陣はベストメンバーか」っていうアンケートでも
とったんでしょうか?おそらく、アビサポの大多数は、ピッコリ采配を支持すると
思いますよ(注:俺もアンケートはとってませんが)。サポに支持されている
(と思われる〉監督采配を「いや、その采配は正しくない」と判断するのは
そもそもおこがましいし、第一、この態度こそ、まさにファンを馬鹿にしてないか?
と思うのですが。
以上、長文失礼しました。