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Subject: 「4バック」はなぜ破綻したか
From: 汗馬
Date: 2002年7月29日 05:10:56

 皆さん、「なぜ、いつもの3バックにしなかった!」と怒ってらっしゃる方が多いですが、私の見方は違います。監督の意図と選手の動きが、かみ合ってなかっただけ。選手がバックを1人増やす意図に適応したプレーができなかっただけだと思います。

 FC東京は攻撃時に1トップと両サイドハーフが、まるで3人FWのように上がってくる。これに数的優位のDF4人で対抗するのは、よくある手ですよね。J2フロンの石崎監督もこの手をよく使っています。
 さらに、敵には石川という生きのいい俊足の右サイドハーフがいるので、彼にスペースを与えないようにしようと。まず守りを固め、相手得意のサイド攻撃を封じた上で、攻勢に出てくる相手の疲れを待つ。いかにもヨーロッパ人らしい考え方で、アウェーを戦う上で理に適っていると言えます。

 ただ問題は、左寄りに構える和波、森下、ジャジの、守備の際の連携が全くなっていなかったこと。逆襲を受けたとき、3人の間にあいたスペースにどんどん入り込まれてしまう。森下が左サイドの守りに引きずられると、今度は2列目への対応がおろそかに。慌ててDF陣が対応しようとすると、縦パスで裏へ飛び出される。こうやって、何度も決定機を許すハメになりました。
 東京も最初から強いプレスをかけてきていたし、和波の位置を下げて守備重視の構えを取ったのだから、前半は中盤でのガチンコ勝負を避けて、深い位置からカウンターを狙うようにすべきだった。2人のボランチは無闇に動き回らず、最終ラインとの間隔をコンパクトに保つ。さらに守備の際は、ジャジやバッキーも下がって相手のサイド攻撃を防ぐ。そういった意思統一が事前にできていなかったことが、あっさり相手に崩された原因だと考えます。

 センターバック陣にも問題はありますね。中盤で相手にボールを持たれているのに無謀なオフサイドトラップをかけたり、とか。だいたい、和波を除くDF3人が離れ過ぎていた。ゴール前だけは相手に入り込まれないよう、しっかり固めておかないといけない。
 私的な見方で言うと「通常の3バックに和波を加えた4バック」ですから、いつも通りの感じでやればよかったんですよ。「右サイドバック」初体験という今野の場合は「ときどき右サイドも見るセンターバック」のスタイルでよかった。右サイドはあきがちになるけど、元の狙いが守備重視なんだから、ゴール前さえ崩されなければOK。ところがDF陣は、日本でよく見かけるような、オーソドックスな4バックのつもりでやろうとしていた。これでは、うまくいかないのも当然。最初のコンセプトと違うのだから。

 イバンチェに問題があるなら、上記のような意思統一ができなかったことと、左サイドDFに和波を置いたこと。私は平塚時代から彼を見ているが、守りに入ったときの脆さが依然として解消されていない。今回も、どうしていいか分からなくなっているように見えた。あの位置にはジャジか健作を置いた方が、まだ対応できたと思う。
 それにしても「コンサに4バックはダメ」というのは、選手を擁護しているようで、実は選手をバカにしていませんか? ウチの選手は教えられたことしかできない犬か家畜と同じ、それなら家畜のままでやらせた方がいい、と言っているようで全く不愉快です。3バックであれ4バックであれ形はいろいろあるし、それらの形に柔軟に対応してこそ本当のトッププレーヤー。柔軟に対応できるよう声を上げるのもサポーターの仕事でしょう。なぜ、選手の応用力を削ぐようなことを言うんですか? なぜ深い考えなしに、選手全体を貶めるようなことを言うんですか?(長文失礼)




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