私は、「夢ルソン基金」は不可能ではないが、たとえやれてもやるべきでないと思います。
私は、この話題が出た時にスポーツ新聞等に時々載っている競馬の競走馬の一口馬主制度を思い出しました(人身売買とか言わないでください。)。この制度は、馬主となった馬が活躍すれば、配当金が馬主に分配されるというものです。
私には「夢ルソン基金」というものが、サポーターからの寄付金で2億円という大金を賄おうとするのか、それとも「一口馬主」制度のように将来的に配当を目的としているのかいまだに判りませんし聞いたこともありません。しかし「一口馬主」制度のように出資者への配当を目的としなければ、とても2億円も集まらないと確信しています。
この配当制度の問題点は、第一にリスクが大きいことです。有望なスポーツ選手が、怪我で引退することは充分ありえます。そうなった場合は、出資者に配当金は戻ってきません。
更に問題なのは、エメルソンの価値が将来増大した場合にエメルソンの将来性を信じて資金を出した人が(投機した人)コンサドーレにエメルソンを残すかどうかで争いの種になることです。
例えば、エメルソンが活躍すればするほどにエメルソンはチームに取って必要な人材になります。そんなときに他チームからオファがあったらどうなるのでしょうか。出資者が、「コンサドーレにいれば、エメルソンの価値は大して上がらない。他チームに移籍すれば移籍金が手に入り出資した金より多くの金が自分に入る。だから移籍に賛成だ。」と考えるのは当然の話でしょう。
「夢ルソン基金」を考えている人は、こうした点についてどうかんがえているのでしょうか。
97年の札幌には、以前バルデスという選手がいて、JFLで40得点を挙げました。
しかし翌年のJリーグでは、バルデスとマラドーナがマークされた結果、チーム全体の攻撃が押さえられました。何よりも重要なのは、攻撃がバルデス中心になった結果、バルデス以外の攻撃パターンが確立されなかったことです。この余波は、バルデスが去った99年まで続きました。
1人の外国人選手に頼った場合、その選手が押さえられればチームは機能しなくなります。FC東京には、高額の選手は1人も居ません(最高でサンドロの2000万円と聞きます)。それでもJ1であれだけの活躍をしています。
今のコンサドーレにとっては、1人の選手の動向に左右されずにチーム全体の戦術の確立することが急務なのではないでしょうか。