甲府戦は水戸戦と同じ状況でした。相手の前線からの積極的な守備に、ペースを最後までつかめずに終ってしまいました。この2チームのこれまでの成績は、決してフロックではありません。J2を良く研究し「ディフェンスから入るチームづくりの鉄則」を実践、それほど名のあるスターがいなくてもバランスの良い組織サッカーを展開できているお手本です。この2チームの失点が少ないのは、そういうサッカーをしているからです。学ぶべき点は多いと思います。敵を褒めていてもしょうがないので、ここで、私が何故アルゼンチン型3バックにこだわるのか理由の話をします。アルゼンチン代表については今更私が説明するまでもなく、攻撃に豊富なタレントを擁しております。クレスポ、クラウディオ・ロペス、ベロン、サビオラ、アイマール、オルテガ、ガジャルドなどなど、挙げればきりがないほどです。当然、圧倒的に攻めるサッカーとなります。それだけに前ががりになりやすく、結構1ミスで速攻を食らい易いチームなのです。ところが、これだけ豊富なアタッカー陣がいるにもかかわらず、ちゃんとディフェンスからチームづくりを行っております。それが、アルメイダ+3バックです。このチームでは、攻撃と守備を完全に分離して考えております。攻撃は放っておいても能力の高い選手達がガンガン行きます。それでベッタリ相手守備陣が引いた深い位置で崩しにかかります。しかし、いかに能力の高い選手にもパスミスは起きます。そして速攻を食らう。ここで本領を発揮するのがアルメイダ+3バックです。アルゼンチンの守備は殆どこの4人で行われます。つまり、このチームは最初から相手の速攻をある程度食らうことを想定して創られているのです。想定しているから慌てない。4人が冷静にカバーしあってしのいでしまうのです。長々と話ましたが、このチームづくりの手法がレベルの違いはあるにせよ、今の札幌に適していると私は思うのです。ウィル、ホベルチ、ベット、砂川は間違い無く能力が高い。この4人が揃えば、確かに圧倒的に攻めるサッカーも不可能ではありません。福岡戦のとおりです。ですが、バランス良く守られると、水戸戦・甲府戦のようになるのです。これはウィルがいるとかいないとかの問題ではありません。我がチームのディフェンスの基本的な考え方の問題なのです。