こんにちは。今シーズンより株式会社 湘南ベルマーレの代表取締役会長を務めております河野太郎です。なんか、盛り上がっていただいて、ありがとうございます。
昨年、ベルマーレ平塚というのが親会社のフジタが徹底し、クラブとしてやっていけなくなりまして、つぶれました。新しく、市民球団として、湘南ベルマーレを立ち上げたのですが、どうせまたつぶれるだろうということで、だれも責任者の引き受け手がおりませんでした。とうとう、市長から、あなたが責任者をやってくれなければ、もう他にいないといわれ、代表取締役会長を引き受けました。
で、とにかくこのクラブをつぶさないためになりふりかまわずなんでもやると宣言し、やってまいりました。最初にやったのが、サポーターを集め、アウェイには行くなといいました。アウェイの収入はベルマーレには入らない、だから、その金で知り合いをホームに連れてきて、ベルマーレの収入にしてくれと、マジにいいました。サポーターは、会長乱心と思ったかもしれませんが、そのぐらい、このクラブを残すのは大変だということは伝わりました。運営費が無いから、寮をつぶし、サポーターのボランティアで、食堂をつくりました。電気屋さんも、水道屋さんも、工務店もみんなただ働き同然でした。ホームタウンのレストラン、料理屋などをまわり、年に一度でいいから、ベルマーレの食堂に来て、選手に飯をごちそうしてくれ、と頼んでいます。また、近所の方に、前園の食べた食器を洗ってくださいと、食事当番のお願いもしています。近所の休耕田を借りて、稲を植えて、選手用の米をボランティアにつくってもらっています。ゲームのときに、切符のもぎりから、案内がかりまで、全部ボランティアにお願いしています。競技場の照明代は踏み倒しています。万が一、Ｊ１昇格の可能性が無くなったら、遠い遠征は、ボランティアに運転してもらう車に分乗して、当日移動、当日帰還で行かせようかと思っています。それぐらいやらないと、今のＪリーグのクラブは黒字になりません。親会社や不良資産を抱えてくれる行政がないクラブは、収支があわないところっとつぶれます。
だから、こちらのホームゲームにたくさんサポーターが来てくれるチームは、ベルマーレのような貧乏クラブにとって、ありがたいチームです。ホームのベルマーレよりもたくさんサポーターが、平塚競技場に来てくれるレッズは、一番大切にしたいお友達で、レッズと一緒にどこまでも、というのは本音です。レッズ戦がなくなると、入場料収入は、ダメージが大きいです、はい。ぜひ、みなさんの怒りを、今度の平塚競技場のベルマーレ戦に、ご来場の上、ぶつけていただけると、本当にありがたいです。
当初、ベルマーレは今期予算規模六億円、７０００万円の赤字、というもくろみでしたが、ここへきて、後のこり試合の入場者数によると、ひょっとするとプラスマイナスゼロになりそうな状況です。平塚競技場でお待ちしています。
ちなみに、平塚競技場に企業の冠をつけて、スポンサー料をいただけないか、検討しました。平塚競技場というかわりに、平塚そごうスタジアムとか、湘南ナイキスタジアムと名前を変えて、うーん、一億円ぐらいでないですかねえ。でも、市役所が、市営競技場なんだからダメ、と反対し、できませんでした。札幌で、成功している収入増加策とかあれば、ぜひ、教えてください。弱いチームは、強くすることができますが、チームが無くなってしまえば、それで終わりですから。
あっ、それから、Ｊ１昇格、もちろんまだ本気です。何が起こるかわからないじゃないですか。Ｊ１のチームだって倒産するかもしれないし。何事もあきらめたら、それで終わりです。