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  • Subject: 「卓・木山 vs.鳥居塚」(社会人大会@高岡)
  • From: 横浜のニセ道産子@富山びいき
  • Date: 1999年11月14日 09:37:29

    富山県富山市と高岡市で開催されている「第35回 全国社会人サッカー選手権大会」を見てきました。
    この大会は全国のJ1、J2と学生以外(要するにアマチュア社会人)の第一種登録チームによる
    日本一を決めるトーナメント大会で、昨年は北海道電力が準優勝しています(優勝はNTT九州)。
    今年からアマチュアリーグとして装いを新たにしたJFLからも正会員7チームが参加しています。

    で、13日に高岡市スポーツコアで行われた一回戦「水戸ホーリーホック vs. 図南(となん)クラブ」で、
    昨年までコンサドーレに在籍していた渡辺卓・木山 vs. 鳥居塚という興味深い対戦がありました。

    実力的には来年からのJ2昇格を睨む水戸がどう見ても上…と思われていたのですが、
    先制したのは図南。前半4分にゴール前の混戦からFW三浦が決めます。
    10分に水戸のMF南がオフサイドラインの裏に抜け同点としますが、
    21分に図南が左コーナーキックからニアで渡辺がヘッドで合わせて2−1と再びリード。
    このコーナーキックを蹴ったのが鳥居塚。しばらく右の下がり目の位置にいた鳥居塚が
    前線へ顔を出しはじめた矢先の追加点でした。アシストが記録されます。

    水戸は渡辺卓がキャプテンマークを巻いてCBで相変わらず高さを生かし制空権を得るばかりでなく、
    セットプレーでは攻撃にも参加。木山はなんと前半はボランチでプレー。
    ボールタッチも多く、チームの中心的プレーヤーであることがうかがえました。

    支配率では水戸が圧倒するものの、図南も高い集中力で守ってカウンター。後半に折り返してもその図式は変わらず。
    3分には図南が好機。右サイドから三浦が卓を抜いて入れたセンタリングに、
    正面で鳥居塚がダイレクトボレー。ジャストミートしたもののGKの正面。
    ポジション的に木山と鳥居塚が競り合う局面が多く見られたのですが、
    コーナー近くで木山にボールを当ててエンドに出してコーナーキックを取ったり、
    ハイボールを競り合う振りしてするりと体を離し、こぼれ球をかっさらってゴール前まで進出するなど、ほとんど鳥居塚の勝ち(^^;;

    試合は後半35分に水戸ゴール前でDFの処理のもたつきを突いて図南が追加点を挙げ3−1。今大会は40分ハーフなので残り5分。
    長身の卓をFWに上げ、必死の攻めを見せる水戸。が、焦りからか再三再四のド決定機を外しまくってしまいます。
    「来年からJ2へ」とか言っている水戸的にはこれではヤバいだろう…と思っているうちに「ロスタイム4分」の表示。
    ところがロスタイムに入って約1分に図南DFがPエリア内でたぶんハンドを犯したのでしょう、水戸にPKが与えられ尾上が決めて3−2。
    「審判、時計時計!」「(ロスタイム)長いよ、終わり終わり!」の声が図南ベンチや選手の間からも飛びます。
    43分にはゴールやや左からの水戸FK。これは図南GK吉田のセーブでバー上にしのぐものの、
    続く右CKからこの日全く当たっていなかったFW金久保が奇跡の同点ゴールをゲット。手元の時計は44分30秒。
    この後キックオフされずにタイムアップの笛が鳴ったので、本当に最後のプレーだったことになります。
    怒号が飛び交いベンチを蹴飛ばす者までいる図南サイド。

    こうなれば流れは水戸のもので延長前半(10分ハーフVゴール方式)は無得点で終わったものの、
    延長後半開始20秒。再び前線に上がっていた渡辺卓に縦パスがさくっと通り、飛び出してきた図南GKの鼻先をかすめるような
    ハーフライナーのシュートがゴールネットにストン。Vゴールで水戸4−3の辛勝でした。

    試合後、ベンチ前まで戻ってきた卓は「疲れたぁーーーっ!」と声を絞ってその場に巨体をズデン。
    「卓、おめでとう」と声をかけても顔を向けて頷いてくれただけ。無理もない…(^^;;;
    木山とはちょっとだけ話しました。「危なかったね」と言うと、「いや、もうそんなん通り越してましたワ」と笑って答えてくれました。
    「トリとは久しぶりだったと思うけど、どうだった?」「ウマいっスねぇ…あいつ」という答え。
    「優勝めざして頑張ってね」と言うと「はい、どうもありがとうございました」と、気さくに答えてくれました。
    で、鳥居塚にも話を聞きたかったのですが、なにせ負け方が負け方でしたので…どう声をかけてよいものやら…で、結局話せず。

    でも、3人ともコンサを離れてもそれぞれの地で元気でサッカーを続け、もう一度「上」を目指して挑戦し続けています。
    というちょっとしたレポートでした。



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