: 「ゾーンプレス」の利点、弱点について、皆さんはどう
: おもわれますか?
ゾーンプレスに固執して、90分間実行することに無理があると思います。どうしても、ロングボールを前線に供給するチームや引いて守るチームにはゾーンプレスは有効な手段とは言い切れません。
引いてくる相手にはロングボールやミドルシュートで相手を引きずり出して、ロングボールを放り込んでくる相手には、ラインを高く保ち、とにかくゴールから遠ざける事ぐらいしかできないと思います。
そもそも、ゾーンプレスは、攻撃において行き詰まりを抱えてしまう欠陥があります。
ゾーンプレスは加茂周氏によって日本のサッカーシーンに紹介されました。しかし、加茂流のゾーンプレスでは、ボールの奪取のみがクローズアップされ、その後の攻撃まで行かなかったことが指摘されています。だから、日本代表の得点力不足が現れることになります。
プレス後の攻撃に関しては、どんなチームでも行き着く問題点らしいです。プレッシングサッカーで有名な、1990年前後のACミランでは、攻撃を3人のオランダ人の才能に託すということでその問題を解消しました。中盤をライカールト、前線をファンバステン、グーリットのクリエイティビティーにほとんど任せたということです。同じ事が、97〜98シーズンのユベントスにおけるデルピエロとジダン、95〜96シーズンのアヤックスのリトマネンにもいえます。
したがって、ゾーンプレスは、クリエイティビティーの高いアタッカーが存在したときに高い機能性を発揮するのではないかと思われます。
利点としては、点を取られないということに関しては、かなり有効な手段であるということ。しかし、点を取ることに関しては個人の能力に頼らなければいけないのが弱点といえると思います。