文/佐藤智哉
「アクセスが悪い」と柏サポーターに忌み嫌われている柏の葉競技場。どんな辺鄙なところかと思って来てみれば、思わず見とれてしまうほど木々の緑が鮮やかで、ツツジの花も咲き誇る、空の青さ広さが実感できる、東京近郊には珍しい健康的なスタジアム。ただし、JR柏駅からシャトルバスで30分。帰りは渋滞にはまって1時間。サポーターの怒りも当然か。
さて、 リーグ戦を最下位でひとまず終えた札幌。助っ人外国人2人にペケマークがついて、さあどうやって立て直そうか、というのが今日から始まるナビスコ予選リーグの最大のテーマ。注目のスタメンには怪我のビジュに代わって吉瀬を抜擢。ワントップに小倉。
キックオフ早々から柏がやりたい放題。札幌がプレスをかけないからボールが面白いよいに回る。札幌は単純なパスミスを連発。特に曽田!!きみはこの試合、敵に何本パスを出したかね?ハラハラの連続だったが、この日はGK佐藤が安定していてゴールは割らせない。最終ラインも落ち着いて対応。ラインは高く保たれ、コンパクトだった。札幌が攻撃に転じたのは30分過ぎから。大きなサイドチェンジから田渕が右サイドを突破してセンタリング。ゴールはならずも、同じような攻撃が何回か出たところで前半終了。
後半も展開は同じ。札幌の攻撃が少し増えたが、シュートが打てない。そうこうしているうちに、柏にPKを取られた。が、GK佐藤ファインセーブ! ヨウヘイさんは2試合連続でPK阻止の大殊勲。この試合で札幌サポーターが一番沸いた場面だ。裏を返せば、札幌はゴールが奪えそうなシーンがなかったということ。攻撃が遅い。サイド攻撃はいいが、センタリングの精度がない。前半は田渕、後半は大森が何度もクロスを上げたが、まともにゴール前に来たボールはなかった。小倉も孤立していた。0対0でドローかな、と思い始めた後半30分過ぎ、ついに柏MF大野に決められ1-0。札幌はその後も攻めたが、ゴールは遠かった。
いまの札幌には怖さがない。攻撃の形はできてるのに点が取れそうな感じがぜんぜんない。相手に向かって突っ込んでいくようなイキのいい選手がいないとチームの士気も上がらないし、相手もビビッてくれないだろう。フロントに言いたい。ヴィッセル神戸からケンカ坊主播戸君を頭下げて取り返してきなさい!!