[第15節]in厚別:ヴィッセル神戸戦(写真付)

『二上英樹の観戦記』

磐田に負けて、入れ換え戦行きが決まった札幌も、いきなりの横浜の合併で、再び回避の望みがでてきた。前節は川崎に逆転勝ちとはいえ、残り試合も全部勝たなくては望み薄すとあっては、今日のホームの試合は落とせない。とりわけ、入れ換え戦で対戦が予想される神戸とあっては、なおさら。
この日の札幌は、天気予報では、雨のち雪。とうとう雪か~、と前日は思ったものの、朝の空は、なんとか持ちこたえてくれて青い空が見える。試合開始になっても、空から何もふってこなかった(札幌市でも山間部は、雪が舞ったみたいですが)。それでも、最高気温8度の状況では、とにかく寒い。厚着をしてスタジアムに向かった。
スタジアムでは、横浜Fの合併回避の署名がサポーターの手によって行われていた。この日、どこのスタジアムでも、見られたと思う。スタンドは、前回のホームゲーム(磐田戦)に比べると、人の入りはいまいち。予想されていたこととは言え、少しさびしい。それでも、この寒さの中、12000人もの人が来てくれた。こんだけいると、ホーム側ゴール裏席と、ホーム側A自由席も一杯。
そういえば、貴賓席には、岡田前日本代表監督が来てました。コンサドーレの監督になる可能性は、ほんとのとこ、どれくらいあるんでしょうね?

札幌の先発は以下の通り。今日は4-4-2のフォーメーション。DFは、左から黄川田、梶野、大野、田渕の四人。中盤は、バウテル、深川、棚田、マラドーナの四人。バウテルは前節、V川崎戦から復帰。オフェンス陣は、吉原、バルデスのツートップ。控えは、加藤、埜下、古川、後藤、関の五人。新加入の二人が、前節に続いてベンチ入り。

  • FW:バルデス、吉原
  • MF:バウテル、棚田、マラドーナ、深川
  • DF:黄川田、梶野、大野、田渕
  • GK:ディド

対する神戸は、コンサと同じく4-4-2。トップは、コリアンボンバー金度勲と神野、中盤では、昨年川崎Fと対戦したときにいた長谷部がゲームメイク。また左サイドには、C大阪から移籍の河錫舟がいる。1シーズンで、厚別に二度来るアウェイの選手も珍しい。また、エースの永島は控えに入っていた。
試合開始、しばらくは、お互い様子見の状態。むしろ神戸の方の中盤のプレスが良くて、コンサドーレのボールはうまく繋がらない。丁寧に、前へ持っていこうとしても、3~4回のパスでカットされてしまう。コンサ油断しているのか?、プレーが雑なように見えた。ところで、コンサドーレは、前日の練習で、初めて非公開練習なるものを行った。公式戦前日の戦術練習のためと説明されているが、ほんとのとこ、何が行われたのかは誰も知らない(一説には、いつもの練習と一緒というはなしもあった)。今日のコンサ、そのせいかどうか、ここんとこの戦い方と、雰囲気が違う。具体的にどうとかうまく説明できないのだが、各選手のポジションチェンジが激しい。ここんとこ、厚別で戦った相手が、清水、柏、横浜M、名古屋、磐田と強敵ばかりだったから、いつも押し込まれていたせいかもしれないが、今日のコンサドーレは一味違う。
時間が何となく過ぎていった序盤だが、前半20分に試合が動く。中盤でボールを奪ったコンサドーレが、素早くカウンターをしかける。左サイドにいた前線のバルデスへボールが繋がる。バルデス、このボールを、逆サイドにオーバーラップしてきていたフリーの田渕へ。田渕このボールを再び中へ、低い玉で折り返し、吉原がゴール正面から、ゴールに突き刺した。1-0、1点先制。見事な、先制点。吉原今季10点目で、二桁に乗せた。
寒い中、応援に来ていたスタンドのみんなも大盛り上がり。試合は、コンサドーレがリズムをつかむも、追加点は奪えず。そうこうしているうちに、前半30分、怪我なのか、マラドーナが下がってしまった。交代で入ったのは、新加入の関。前節川崎戦でも途中出場したが、ホーム厚別初デビュー。マラドーナの位置には、棚田が入るも、FW関の投入で、三人のFW(右のMFに入っている深川も元FWだから、全部で4人!?)になったコンサ攻撃陣は、ポジションが決まらない定まらないフレキシブルな変わったフォーメーション。この五人のポジションチェンジが激しい。
前半40分、追加点がコンサに入る。左サイドセンターライン付近で得たFK。バウテルが素早くリスタート。これが相手DFラインの裏側へ抜けたバルデスにピンポイントにつながる。GKと一対一となって、これを落ち着いてかわして決め、2-0。バルデス今シーズン20点目。前節川崎戦の2得点といい、エースに復調の気配が感じられる。
前半はこのまま集終了。

後半開始。コンサドーレは吉原、バルデス、関のスリートップ気味ながらも、これに棚田、深川を絡めて、ポジションチェンジを激しく行う作戦の様だ。これに両サイドのオーバーラップも絡めて、今日のコンサドーレは、結構攻撃的だ。でも、追加点は入らない。そうこうしているうちに、後半15分。神戸FWがうまく抜け出して、ディドと一対一。これをディド、ナイスセーブ。この後、三回ほどコーナーキックを続けてとられるも、何とかしのぎ、自陣からカウンターをしかける。前線にいた、吉原と棚田で、神戸ゴール前まで持ち込んで、最後は、棚田がシュート。神戸GKが反応して、惜しくもゴールならず。
後半20分には、バルデスと吉原二人のワンツーで、神戸ゴール前まで持ち込み、吉原がシュート。決まったか!!と思われたボールは、惜しくも、ゴール右をかすめて飛んでいった。
神戸は、後半35分にMF長谷部とFW和多田が交代。ちなみに、神戸は、前半20分に、林が怪我をしたのか、吉村と交代している。
後半40分には、深川に代わって埜下投入。守備固めかな?。これで、関に続いて、埜下もホーム厚別初登場。ロスタイムに入る直前の45分には、吉原と後藤を交代。その後藤が、ピッチにたってすぐ仕事をする。右サイドにいた後藤にうまくボールが繋がり、これを持ち込んでうまくセンタリング。逆サイドの棚田がダイレクトボレーシュート。神戸GK何とかはじかえすも、神戸ゴール前で混戦に。最後は、バルデスがだした横パスを棚田がゴール正面から押し込んだ。棚田移籍後初ゴール。コンサ3-0、これで勝負が決まった。試合は、このまま、ロスタイムが過ぎて終了。2連勝とした。

今日の試合、良かった点はバルデス、吉原のツートップがしっかり仕事をこなし、点を決めたこと。それぞれ、20点、10点と区切りのいい数字に乗せた。それにもましての収穫は、試合終了間際の棚田の移籍後初得点であろう。コンサドーレのゲームメイカーはマラドーナだが、それに匹敵する仕事と、さらに運動量を求められている棚田は、まさに、今後の試合の流れの鍵を握っている選手と行っていい。その棚田が、はツゴールを決めたとこで、今後の試合、いい気持ちで望めるようになったことが大きい。きっと、より攻撃的ないい仕事をしてくれることだろう。
一方、悪かった点も目立った。中盤で、良くパスをカットされるシーンがとにかく、目立った。コンサ油断して、集中力が欠けているんじゃないかと思うほど、あっさり中盤でカットされるようなシーンも、ちらほら。今日の神戸の決定力のなさに助けられたようなものだが、今後の修正が必要な点である。

コンサドーレは、この日の試合に勝ったものの、上位チームの勝敗の関係で、入れ換え戦参入が決まってしまった。また、同日、他の3チームも、市原、神戸、福岡と決定し、これに、川崎Fを加えた5チームで3つの席を争う、入れ換え戦を戦うことになった。
コンサドーレはこの後の試合が、どの様な展開になろうとも、15位か16位が確定。川崎Fとの一発勝負で決まる入れ換え戦1回戦にまわることは無くなった。ホーム&アウェイ形式の二回戦からとなり、これに勝ち抜けば、残留決定。また、負けても、同じ形式で行われる第三決定戦で、勝ち抜けば残留決定となる。次節、市原は入れ換え戦で戦う可能性があるので、きっちり勝っておく必要がある。残り試合は、連勝して、勝ち癖を付けたまま、入れ換え戦に入りたいものである。

(以上記事:二上英樹)


選手入場:ビッグフラッグ :今日もビッグフラッグがバックスタンドに翻った。前日の天気予報は、雨のち雪。そのため、ビッグフラッグはお休みになる予定だったが、当日、青空が見えたことを受けて、ビッグフラッグお披露目となった。  
前半20分:吉原先制弾 :前半20分、コンサ先制。バルデス→田渕→吉原ときれいに繋がり、1点先制吉原今季10点の二桁に乗せるメモリアルゴール。ガッツポーズする吉原宏太選手(左)と、アシストした田渕龍二選手(右)。
前半30分:マラドーナ交代 :前半30分。マラドーナ選手が怪我のため退場。代わって、関浩二選手が、ピッチに。厚別初登場。
前半35分:フリーキック :マラドーナ選手退場後、フリーキックは、バウテル選手が蹴ってました。左から、バウテル、バルデス、棚田の三選手。。
後半:中盤 :後半、中盤でボールを奪いあう、選手達。中央でボールを奪いあうのは、吉原宏太選手と阿部雄大選手(神戸)。フォローにはいるのは、棚田伸選手(27番)と布部陽功選手(神戸;8番)。
後半40分:深川交代 :後半40分、守備固めのためか深川友貴選手に代わって、埜下荘司選手を投入。埜下選手は厚別初登場。
後半45分:吉原交代 :後半45分。ロスタイム直前、吉原宏太選手に代えて、後藤義一選手投入。後藤選手は、このあとすぐに、右サイドから神戸ゴール前に見事なセンタリングを上げ、棚田選手の初ゴールに結びつけた。
試合終了:ヒーローインタビュー :今日のヒーローインタビューは、棚田伸選手。中盤で精力的に動きまわった棚田選手は、後半ロスタイム、札幌移籍後、初ゴールとなるうれしいゴールを決めた。
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