この日、札幌市内でHFCは恒例の定時株主総会(第7回)を開いた。この時期の株主総会の大きな議題は前年度の収支報告(決算)と新年度の予算・事業計画の承認。
まず収支報告では8700万円の当期損失となり、00年と01年と単年度黒字を達成してきたが3年ぶりの赤字決算となった。概略であるが収入約21億、支出約22億で損失約1億(正確には8700万円)という内訳。昨年度の株主総会時点での予算では、収入23億、支出22億で黒字1億を目指すという事業計画であった。従って支出面は計画通りであったのに対し収入が2億下回ったのが、02年度の赤字の要因となっている。
収入が2億下回った内訳だが、要因はグッズ販売での売り上げの落ち込みと、入場料収入が予想通りに伸びなかったこと。まずグッズ販売は01年度決算に比べ1億も減少。また入場料収入は01年度とほぼ同じ額面を達成したものの、予算段階ではドーム開催試合を02年は01年の5試合から9試合に増やしたこともあり1億~2億の上乗せを計画していた。しかしながら02年度はチーム成績の不振、ドーム開業ブームの終了などもあり、予想通りにのびなかったことがひびいた。反面、スポンサー(広告料)収入では02年度は01年度を上回っており、この面での健闘がみられる。
次に03年度(新年度)予算・事業計画であるが、総収入(営業収入+営業外収入)は約21億、総支出は20億5千万で、約5千万の利益を目指す内訳となっている。総収入は02年度決算と同額だが、入場料・広告・グッズ販売などの企業の自営業力を表す営業収入は5千万円増となっている。J2に降格した上でのこの増は一見無謀に見えるのだが、かなり手堅く予算を組んでいる。まず入場料収入はチケット価格を下げたことや入場者数減を見込んで約5千万減少。広告料収入も同じく減少。グッズ販売は大きく01年度から下がった02年度並を維持すると見込む。これらだけだと02年度に比べ約1億5千万減なのであるがその他収入として山瀬功治選手の移籍金が2億円(推定)として計上され、都合5千万の増となっている。
従って、額面だけではわからないが、内訳をみるとJ2降格の影響ははっきりと現れた予算となっている。まず収入面で確実に1億5千万円は減少を予想している。これをその他収入でカバーしているのが03年度の予算計画である。佐々木利幸社長は「J1復帰は会社の命運をかけた戦い」と述べているが、もしも来期もJ2に残留した場合、来期予算は今季から約3億下げなくてはいけなくなる。なぜならばその他収入は毎年期待できないため、営業収入は1億5千万の減。さらにJリーグ分配金も降格の翌年度はJ1と同額だが、2年目は半減となるなどのためさらに約1億減となるからだ。
いずれにしても営業収入に関しては、チーム成績の出来不出来が大きく影響を与えるため、成績次第では、予算を上回ることもあれば、さらに下がることもある。ここでコンササポーターが自覚しておかなくてはいけないは、入場料収入と双肩の広告料収入に影響を与えるのは、実はチームの成績ではなくて人気の度合い(資料としては観客動員数などが有用)であるということ。例えば、J1で優勝を争っていてもスタジアムががらがらのチームと、降格争いをしててもスタジアムが満員のチームがあった場合、後者の方が広告媒体としての価値は高くスポンサー企業にとって旨みがある。実際は成績に比例して観客動員数がのびる傾向にあるので、チーム成績が重視されがちであるが、成績自体が重要なのではない。すなわち、この面で一人一人のコンササポの行動がチームの営業面に果たす役割は非常に大きい。よって筋金入りのサポーターはチームの成績に関係なしに常にスタジアムへ足を運ばなくてはいけない(^^)できれば友達も誘って。
財務面以外の議題としては、組織面で3本部制(営業本部、事業本部、チーム統括本部)から2本部制(営業本部、統括本部)とする改革がおこなわれたこと。また人事面で、取締役を2人減の12人とし、半数が入れ替わり6人が新たに就任したこと。などが報告された。いずれも初の専任社長である佐々木新社長がかかげる迅速な意思決定に対応できる組織づくりを目的としたものとなっている。
2002年度決算と、2003年度予算の一覧は、北海道フットボールクラブオフィシャルホームページにて閲覧できる。ページ右下の北海道フットボールクラブのアイコンをクリック。HFCの説明のページが表示されるので、一番下の『決算』をクリック。
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