この日、日本サッカー協会はJFAエリートプログラムの集中合宿への参加メンバーを発表した。コンサドーレ札幌ユースU-15から熊澤覚(くまざわさとる;DF)選手が選出された。北海道からは室蘭市立向陽中の近藤大輔(こんどうだいすけ;DF)選手も選出された。4/27(日)~5/2(金)にJヴィレッジにて合宿を行う。
【解説】JFAエリートプログラム:日本サッカー協会が今年から始めた新しいプロジェクト。U-13・U-14の選手を対象として行われ、集中合宿(トレーニングキャンプ)・海外遠征等、年間を通じた育成活動を行う。これまで行われていたトレーニングキャンプなどのシステムと異なるのは、より人間性の教育面に力点が置かれているということ。サッカー技術面が主体であったトレーニングキャンプは集中合宿といった形でこのプログラムでも実施されるが、それに加え、多種多様なプログラムが実施される予定。発表されている例によれば、以下のようなものがある。
- IT教育(活動期間外は連絡ツールとしてPCを活用し、そうすることで日常的に継続した指導を行う)
- 日本語・英語・ディベート等 → コミュニケーションスキルの獲得
- メンタルトレーニング・カウンセリング
- フィジカルチェック・フィジカルフィットネスサポート
- メディカルチェック・メディカルサポート
- 栄養指導・教育
- 日本代表としての自覚を促す教育 など
いろいろあるが、ようするに心技体のうち、技だけでなく心と体の部分も若いうちから基本を身につけさせ、しっかりトレーニングしようといったプログラムである。従来は日本サッカー協会の担当する若年層の強化合宿などでは技術面の指導が主で、それ以外の面は、各クラブや学校、あるいは親御さんなどに任される傾向にあったが、かならずしもうまく指導できていたかというとそうでなかったりする(なんだかんだいっても教育っていうのは難しいものだからね)。このプログラムでは、合宿期間外でも、継続的に監督やコーチと連絡を取り合い、指導が行われる。このため、監督やコーチはサッカー面での指導者というだけでなく、時にカウンセラーであり、時に担任をこなすことになる。
サッカー先進国に比べ、こういったオフザピッチの分野での取り組みが遅れていた日本でようやく始まったといえるプロジェクト。まだきっちりした枠組みができていないので、今後プロジェクトの進展をみながら変化していくことになる。うまく軌道に乗り、マニュアルが完成すれば、将来はクラブレベル、学校レベルでの指導にも同じような教育プログラムを普及させて行きたい意向をサッカー協会は持っているようだ。今年の活動予定は以下の通り。
- 集中合宿:4月27日(日)~5月2日(金)Jヴィレッジ
- 集中合宿:7月下旬(6日間) ※海外より特別講師を招聘
- 集中合宿:8月下旬(6日間)
- 海外遠征:秋頃(10日間)
- 集中合宿:1月下旬(6日間)