[第4節]in瑞穂:名古屋グランパス戦

編・写真/うちだ@名古屋OSC「Connadole」、文/えーべっつ、極丁、やのっち

この文章は名古屋OSC「Connadole」の複数が書いたものを混ぜ合わせてます。ところどころつながっていませんがご容赦くださいませ。3月31日に瑞穂に参戦された皆さん、お疲れさまでした。

0勝3敗・得点1・失点10・得失点差-9・勝点0。2002年シーズン”闘将”柱谷哲二氏を新監督に2年目のJ1リーグ戦に臨んだコンサドーレ札幌の開幕から3試合を終えての成績です。
開幕から3連敗したのは今年と同じくW杯開催年だった1998年以来。コンササポなら絶対に忘れられない、また忘れてはならないJ2降格の屈辱を味わった年です。前年の終盤から5連敗(1分挟む)している上、天皇杯でも富山で川崎フロンターレに敗れている試合を含めると公式戦9連敗、10試合勝星なしとホーム厚別でのサンフレッチェ戦(10/17)、アウェイでは東京スタジアムでのヴェルディ戦(10/13)以来、選手も監督もサポも半年間勝利に飢えた状態で瑞穂陸上競技場の名古屋グランパスエイト戦を迎えました。勝利を信じて応援して来たものの最後の主審の笛にただ立ち尽くすばかり。ここしばらく「交通費/勝利」の”エンゲル係数”が”計算不能”でした。

相手のグランパスとは1998年と2001年で4度対戦し1勝2敗1分ですが、アウェイの瑞穂陸上は1998年は延長でストイコヴィッチのゴールで1-2とV負け、2001年は後半にウエズレイとウリダにゴールを許し0-2で完封負けと2戦2敗と分の悪い場所。toto支持率もグランパス90分勝=81.50%、コンサ90分勝=8.26% 、その他=10.24%と前節のヴェルディ戦で初勝利した事もあって大方の評価もホームのグランパス有利となっておりました。

試合前、桜満開の川沿いを瑞穂に向かうと、もうすっかり春満開というよりも夏が来ているような暑さで選手は大丈夫か心配になりましたが早くコンサにも春をと期待と不安を持ちながら到着しました。アウェイ側並び口はまさしくアウェイの洗礼、何も無い裏口。そしてスタジアム入場、入場者数はまあまあ、思っていた以上にコンササポが集結していました。(みそせんべい、足りなくてスイマセンでした。)


両チームのスターティングイレブン及びベンチ入りメンバーは下記の通りです。

コンサドーレ札幌 名古屋グランパス
小倉  小島
山瀬
和波    田渕
ビジュ 森下
大森 古川 今野
佐藤
FW
M(トップ下)
(WB)
F(ボランチ)
DF
GK
マルセロ ウエズレイ
中村
中谷    岡山
ウリダ 酒井
平岡靖 古賀 大森
楢崎
藤ケ谷 曽田 平間
酒井 堀井
SUB 本田 西澤 石川
滝沢 森山

今節は日本代表の海外遠征の都合で前節から日程が2週間開きましたので両チームとも十分な調整期間ありましたが、グランパスは前節のヴェルディ戦で今季初勝利をあげた事もあり前節と同じメンバーを組んできました。
コンサドーレは前節のジュビロ戦で退場処分となったFWロブソンが出場停止、また開幕から3試合で10失点と崩壊したDF陣の立て直しに手を打つべく4バックから昨年までの3バックに変更し、開幕からフル出場している吉川とマクサンドロの2人のCBを揃ってベンチ入りメンバーからも外し代わって今季は出場機会のなかった古川をCBに、田渕を右WBに起用し、今野をボランチから右ストッパーにするとともに、森下を右SBからボランチに代えてビジュと組ませるなど2トップ以外は全て昨年2ndステージで4連勝(1分挟む)したときの主力を起用する思い切ったメンバー変更を行ってきました。1月末からの長期合宿を終えて札幌で落ち着いて練習できた成果が出るか注目されます。

奇しくも両チームとも3-5-2(トップ下を置く3-4-1-2)と同じシステムとなりましたが、コンサドーレが昨年まで慣れ親しんだシステムへの回帰となったのに対しグランパスは昨年までの4-4-2からの転身と意味合いは異なります。将棋で両者が全く同じ手を指しあう事を「模写櫓」と言い最終的に実力が上の方が勝利しますが今回のピッチ上の「模写櫓」はどちらが勝利するでしょうか。

試合開始前には雨がぱらつき、風が出てき暑さも無くなりました。今日こそ連敗ストップといつもにも増して意気あがるコンサドーレのゴール裏に今回は珍しく先発メンバー全員が試合前に挨拶に来ましたが、いつにない選手の意気込みに今日は勝てるのではないかと感じました。

そしてキックオフ。この日の瑞穂はかなり強い風がメインスタンドに向かい右から左へホーム側ゴール裏からアウェイ側ゴール裏の方にに吹いていて前半はグランパスにとって追い風だった事もありロングボールを多用、コンサドーレは久しぶりに実戦で3バックにした事で若干DF陣の連携に難が見られ特に大森・和波の左サイドを狙われて何度か決定的なピンチを招きますが、この日のグランパスは2トップの一角のウエズレイが足の怪我の影響で動きが悪く、もう1人のマルセロも何度かあったゴール前でのチャンスに決める事ができません。中でも前半24分には佐藤洋平とゴール前で1対1のチャンスを迎えながらループシュートをバーの上に外してしまいましたが、これは強風に助けられた感がありました。

コンサドーレの方は向かい風という事でロングボールの放り込みは繋がらず、かと言ってパスを繋いで遅攻で崩す事もできず攻撃に関しては前半はノーチャンス。両チームのシュート数がグランパス4(枠内2)に対しコンサ0というのが前半の状況を物語っています。

余談ですが、この試合はNHK・BSで生中継の予定でしたが先に生中継されていた仙台対神戸戦が延長戦となり、更に台湾で地震があった影響で南西諸島を津波が襲う恐れがあったため前半40分頃まで放送されず、現地の仲間から携帯電話で試合の状況を確認していた人が相当いたようです。

こうして結局、前半は0-0で折り返し勝負は後半に持ち越されましたがハーフタイムに柱谷監督は前半に狙われた左サイドの守備について大森に指示を出し、攻撃についても前半は左サイドに張っていた小倉を中央寄りやや後ろにし小島の1トップ気味にポジションチェンジしてきました。そして早速その効果が出て後半4分に小倉がDFを反転してかわし和波にパス、和波からのクロスに小島が飛び込みゴール!
待望の先制点と大いにコンサドーレのゴール裏は沸きましたが得点者の発表がなく暫くしてからオウンゴールの発表。後に映像を見たところでは和波のクロスに飛び込んだ小島とグランパスDF大森が交錯し大森に当たってゴールインしていました。オウンゴールでも何でもとにかく今季初の先制点です。

思わぬかたちで先制点を許し動揺するグランパスDF陣の小倉に対するマークは更に緩くなり後半9分には中盤のこぼれ球を拾った小倉から山瀬にDFの裏を狙ったスルーパスが通り山瀬が落ち着いて左足でシュート、これが見事に決まり2-0。70メートルは走った山瀬のランが光ります。かくしてコンサドーレの選手自身による2ゴール目は開幕戦に続きまたも山瀬によるものでした。

2点のリードを許し攻勢に出なければならなくなったグランパスは後半14分にトップ下の中村からDF石川へ、同時に左WB中谷から滝沢と一遍に2人交代しシステムも4-4-2に変えて勝負に出ました。焦るグランパスの選手に対し優位に立ったコンサドーレの選手は厳しいプレッシャーをかけて自由な動きをさせません。そして 後半23分に小倉から山瀬にパスが渡り、山瀬が相手DFをかわして森下にパス、森下が右足でシュートを決めて決定的な3点目。お祭り騒ぎのコンサドーレのゴール裏に看板を乗り越えて近寄ってきた森下がイエローカードをもらってしまったのはご愛敬でした。

いよいよ攻め手に窮したグランパスは後半26分にMF岡山からFW森山に最後の交代枠を使い3トップにし攻勢に出ようとしますが、中盤でコンサドーレの厳しいプレッシャーにあいパスをつなげず、ならばとロングボールの放り込みを狙っても向かい風のため前線まで全く届きません。余裕のコンサドーレは後半36分には疲れの見える小島に代えて堀井を投入し勝利に向けて盤石の構え。コンサドーレのゴール裏も歓喜の瞬間に備えてカウントダウン。ロスタイムの表示が出た頃、タオルマフラーを掲げ「GO WEST」コール。私の記憶が確かならアウェイでは昨年の博多でのアビスパ戦(7/14)以来の光景です。

そしてついにタイムアップ。今季初勝利にして昨年10月以来半年ぶりの勝利に待ちに待っていた「好きです サッポロ」の大合唱がコンサドーレのゴール裏から沸き起こります。アウエイサポ冥利につきる瞬間です。試合後にコンサドーレのゴール裏に挨拶にきた選手達も2週間前にジュビロに完敗して打ちひしがれた様子だった磐田の時とはうってかわって晴れ晴れとしていました。

この日はコンサドーレの名古屋サポ主催でサッポロビール名古屋ビール園浩養園で「祝勝会」を行う予定でした。今回の快勝で文字通りの祝勝会となったのは何よりで、大いに美味いビールを飲みながらジンギスカンに舌鼓を打てました。

かくして予想以上の完勝に終わったグランパス戦でしたが今後に向けての課題も幾つか見えたのも確かで、例えば守備面では今回の3バックのメンバーでは相手の長身選手との空中戦に遅れをとる危険が高い事、攻撃面では小倉を軸とするのは良いが頼りすぎると1999年にアシスを攻撃の軸として頼りすぎる余りアシスを抑えられると打つ手がなくなってしまった同じ轍を踏む恐れがあるので中盤で小倉の負担を減らせる選手の起用を補強も含めて考えておく必要があるのではないでしょうか。

当日の試合、名古屋OSCでは「個人サポ」を支援すべく「応援団長」の元で“みんなで応援しよう!”と声をかけていました。最後は応援団長の激白で締めさせていただきます。

【応援団長の激白・・・】
あの日、何人かの個人サポさんと待ち合わせしてました。事前にメールであいさつしていたとはいえ、やっぱり見ず知らずの人。なんとなく緊張感と不安感があって、ソワソワしてました。
「どんな人が来るのか?」
「どうやって合流しようか?あっ、目印になりそうなモノ持ってない。しまったなぁー」
「レプリカやマフラーなんてみんな身につけてるし。うーん…。」
今思えばどうでもいい様なことだったんですが、そんなようなことをえーべっつさんの包帯を赤黒く塗りつぶしながら考えてました。今にも鳴り出しそうな携帯を握り締めている自分を落ち着かせようと、ついついビールに手が伸びてしまって、
「お兄さん、今何杯目??」
ってツッコまれちゃったりして…。ついでに無意識のうちにみそせんべー2枚も喰っちゃったりして・・・。そんな緊張が頂点に達したのか、はたまたビールのせいか、トイレで順番待ちしていたその時、1本の電話が・・・。
「○○の△△です。いまどちらですか?」
「今漏れそうです。」と言いかけて
「今席はずしてるんで、こちらからかけなおします。」
・・・・・・え~~、、明確に思い出せるのは以上です。この後血管がブチ切れるくらい応援コールしてたので記憶がぶっ飛んでしまいました。

まぁ・・・、要するに知らない人と言葉を交わすのは僕にとってとても勇気が要ることだったんですが、一緒に応援しているうちにいつしかそんなことなんて忘れてしまって、得点の瞬間、勝利の瞬間、歓喜の声と共に互いにハイタッチを交わしている自分がいる。それが、とても、とても、な~んまら楽しくて嬉しくて…。そんなひとときが、たまらないくらい好きで自分はコンサを日本中追い続けているんだ、それを改めて実感した一戦だったと思います


桜の咲く瑞穂陸上競技場、コンサもここに花咲きます。 高知の経験を生かし、のぼりの設営・撤収しました。
山瀬のゴール(2点目)に静まり返る瑞穂。これがアウェイの醍醐味です。 勝利間近、Go West 歌ってます!
挨拶に来たコンサイレブン 祝勝会の一コマ。これは事務局長の撮影なのですが、この辺から酔ってきて焦点が合ってません。
記事の共有: