サッカーFAQ4 -戦術(組織プレー)編-(2002年版)

【このページに載っているFAQ項目】

  1. ワンツー(壁パス)って何?
  2. スルーパスって何?
  3. センタリングって何?
  4. ポストプレーって何?
  5. くさびを入れるプレーって何?
  6. サイドチェンジって何?
  7. ポジションチェンジって何?
  8. オフサイドトラップって何?
  9. カウンターアタック(攻撃)って何?
  10. オーバーラップって何?
  11. ワンサイドカットって何?
  12. インターセプトって何?

  1. ワンツー(壁パス)って何?
    • ワンツー(壁パス)というのは、サッカーの基本プレーのひとつで、簡単に説明すると、2人で1人を抜きさるプレーのことです。図に示したように、ボールを持っている選手(白三角下側)が、ディフェンスを行う敵選手(黒三角)を、見方選手(白三角左側)を利用して抜き去る(水色の動き)ことです。味方選手へのパスをワン(1)、戻ってくるパスをツー(2)と呼んで、このプレーのことをワンツーと呼ばれたり、そのボールの軌道が壁にボールをぶつけて戻ってくるのに似ていることから壁パスと呼ばれます。
    • サッカーのプレーは、一対一で、勝負する局面以外に、このように、二対一で勝負する局面も多く見られます。実際の試合中では、このプレーがくり返し行われたり、また、三人以上で行われることもあります。

  2. スルーパスって何?
    • スルーパスというのは、相手DFが形成する守備のラインの裏側のスペースへボールを出すことです。裏のスペースというのは、相手DFが形成する守備のラインと、GKの間のスペースのことで、DFから見ると背中側(裏側)にあたるスペースなので、裏のスペースと呼びます。このスルーパスというのは、タイミングさえあえば、ゴールへ繋がるだけに、攻撃する側は試合中に何回もおこないます。前線のFWと、相手DFは、同じ位置から、ゴールへ向かって走り出すことになります。守備というのは、自陣ゴールへ走りながら行うのが一番難しく、ここへのパスは、守備する側から見ると、一番いやなプレーです。逆に、味方に足の速いFWがいる場合は、すごく有効なプレーになります。

  3. センタリングって何?
    • センタリングというのは、攻撃側が、サイドから相手ゴール前へボールをあげる事をいいます。サイドへは、ドリブルで持ち込んだり、あるいはパスをもらったりして切り込み、そこから、ゴール前の味方選手へボールを送ります。ゴール前の位置は、ボールをあげる側から見て、近い側のゴールポストの辺りをニアサイド、遠い側をファーサイドと呼びます。ニアへボールをほうり込むか、ファーへボールをほうり込むかは、その時の状況によって変わってきます。

  4. ポストプレーって何?
    • ポストプレーというのは、ターゲットになる選手(ポスト)を決めて、そこにボールをほうり込むプレーのことです。ポスト役になった選手は、相手陣奥深くに位置し、ほうり込まれたボールを、そのままシュートに結びつけるというよりも、ボールのコースを変えて、味方選手に繋げる役を担います。従って、ポスト役になる選手は、背が高くジャンプ力があり屈強であることが求められます。このプレーは、チーム全体で行うもので、ポスト役の選手にただほうり込むだけでなく、前線にいる他の選手は、ポストプレイヤーから、パスをもらいやすい位置にポジションを取ったり、こぼれ玉に反応できるような位置取りをする必要があります。
    • このポスト役の選手がいると、両サイドから、センタリングでゴール前にほうり込むだけでなく、グラウンドのどの位置からも、前線にボールをほうり込むことができます。もちろん、ポストプレイヤーは、味方へボールを繋げるだけでなく、自らゴールをねらうこともあります。

  5. くさびを入れるプレーって何?
    • くさびを入れるプレーは、システマチックな守備陣を打破するのために大事なプレーです。相手守備陣の陣形が整わないうちに攻撃を仕掛ける速攻(カウンター攻撃)とは異なり、守備陣が全員戻ってゴール前をきっちり固められた時に、そこを突破するのは、なかなか至難の技です。こういうときには、局面を打破するためにくさびを入れるプレーをおこないます。
    • どういうプレーかというと、相手陣形奥深くにいる味方選手へ、ボールをほうり込むというのが、くさびを入れるプレーです。何だそれだけか、と思わないでください。近代サッカーでは、フォーメーションや戦術の研究が進み、それに従って守っているときが一番強固な守備が行えます。このくさびを入れることによって、どういうことが起きるかというと、当然、相手DFはボールに寄ってきます。小学校のとき授業でやったサッカーのように、ニワトリが殺到するように、DFが集まってくるわけではありませんが、自陣深くにボールをほうり込まれ、それが相手FWがキープするような状態になれば、当然1人のDFはマークにつきます。抜かれれば、ピンチですから、他の選手は抜かれたときのフォローのため、ラインを下げたりポジションを変えたりします。それにつられて、他の選手も次々に動きます。つまり、ボールを奥深くいる味方選手へ通す事により、相手DFの陣形が動くわけです。その時、ちょっとでも、ほころびができれば、そこを取っかかりとして攻撃するわけです。
    • だから、くさびを入れるプレーは、一回でいいというものではなく、何回もチャレンジして、守備陣の陣形をこじ開けるわけです。従って、ほうり込まれる味方選手はキープ力が要求されます。DFは、何回もやられてはたまらないので、インターセプトするなり、密着マークするなりして、ボールをほうり込まれないようにします。
    • この、くさびを入れるプレーが、何回もできれば、そのうち、相手守備陣を突破できるでしょうし、逆にやられることがあれば、そのうちゴールを奪われてしまうことになります。

  6. サイドチェンジって何?
    • サイドチェンジは、その語の通り、ボールを逆サイドへ送ることにより、プレーするサイドを変えることです。
    • 現代サッカーでは、大なり小なりプレスが行われます。局面局面で、ボールを持つ選手に、1人だけでなく、2人も3人もプレスをかけ、ボールを奪うわけです。局面局面では、2対1、3対1になろうとして、相手選手が集まって来ますから、ボールの無い地域には、スペースが空いており、味方選手がマークもされず余っているわけです。そこで、期を見て、ボールを逆サイドに振るわけです。
    • ボールをもらった選手は、そのままサイドを駆け上がることもできます。また、相手陣奥深いと、ボールが逆サイドに振られることにより、相手陣形が崩れることがあります。
    • 効果的なサイドチェンジを行うためには、グラウンド上を広く見渡せる視野が選手に要求されます。

  7. ポジションチェンジって何?
    • ポジションチェンジは、その語の通り、ポジションを変わることです。広義の意味で使えば、ポジションが変われば、どんな場合でもポジションチェンジです。狭義の意味では、戦術的にポジションを入れ換えるプレーを意図的に行うことをさします。例えば、ツートップのFWが、ポジションを入れ替わる動きをして、相手マーカーを撹乱するとかが、それに該当します。このようなポジションチェンジは、2人のプレイヤーが並んでポジションニングしているところで、よく行われます。MFなども、左右を入れ換えたり結構行います。主な目的は、相手マーカーの撹乱です。

  8. オフサイドトラップって何?
    • オフサイドトラップは、オフサイドというルールを利用して、意識的に相手FWを、このオフサイドにしてしまうことです。左図のような位置にいるとき、ボールがでる瞬間に、DF陣がラインをあげます。結果的に、残された相手FWは、オフサイドになってしまいます。これがオフサイドトラップです。
    • チーム戦術として、オフサイドトラップを頻繁に仕掛けるチームもあります。個人技の高いFWがいる攻撃力の高いチームと対戦するときには、このプレーはかなり有効です。

  9. カウンターアタック(攻撃)って何?
    • カウンターアタック(攻撃)は、速攻の事です。相手が、攻撃をしているときに、ボールを奪い、相手守備陣の陣形が整う前に、攻撃を仕掛けることです。カウンター攻撃が、一番効果的なのは、さあ、今から攻撃を仕掛けるぞと、相手チームが全員上がってきはじめたときに、中盤でボールを奪い、カウンターをしかけることです。
    • とにかく、鍵は、相手チームの守備陣が陣形をととのえる前に攻撃を仕掛けることなので、ボールを奪ったら、一気に前線までボールを運び込まなければなりません。

  10. オーバーラップって何?
    • オーバーラップとは、本来守備が仕事のDFが、攻撃参加することです。両サイドバックや、リベロの選手がオバーラップをして攻撃参加します。DFがオーバーラップして攻撃参加する利点は、人数的に有利になれるということです。また、度々あることではないので、相手チームのマーカーが決っておらず、マークが甘くなりがちになることです。
    • もちろん、カウンターをくらうと、ピンチになるので、攻撃参加するタイミングが大切で、タイミングを読むことのできる能力が要求されます。

  11. ワンサイドカットって何?
    • ワンサイドカットは、ディフェンスの基本プレーです。ボールを持っている選手にプレスをかける場合、ただ近くに寄っていくのではなく、片方のサイド(黄色網点の部分)をつぶしながらプレスをかけます。これが、ワンサイドカットです。通常は、ゴールに近いサイドをつぶしますが、どちらをつぶすかは、後ろにいる選手などが指示する事も多いです。ワンサイドカットの結果、ボールは、カットされていないサイド(水色の矢印)へ押しやられることになります。その周囲にいる味方選手も、カットしたサイドとは逆のサイドに、ボールが行くと読んで、プレーを予測し動きます。

  12. インターセプトって何?
    • インターセプトとは、パスを途中でカットして、奪ってしまうことです。ボールを持っている選手(1)に、味方選手がプレスをかけます。後ろにいる、2の選手は右サイドにいる選手にパスがでると読んで、パスがでた瞬間に、これを途中でカットして、攻撃に繋げます(3)。
    • 実際の試合中は、このようなシチュエーションになる場合だけとは限りませんが、相手が出すパスのコースを読み、パスを途中で奪ってしまうことをインターセプトよいいます。

記事の共有: