J1残留が決まり、来季に向けてのスポンサー獲得に向けての営業がHFCで始められているが、来季はいくつかの大口のスポンサーカテゴリーが増やされる見込みとなっている。
まず、ユニフォームスポンサーにパンツ部分の枠が増やされる。これまではシャツの部分のみで、胸、背中、左袖の三カ所であったのが、Jリーグのレギュレーション改正で来年度からパンツへの広告が認められることを受けてのもの。パンツ全体が広告で覆われるわけでなく、従来、パンツの裾の部分についている背番号やチームロゴの様な感じのものを想像すればよいと思われる。
また、チームスポンサーの方では、ピッチスポンサーが新たに設定される。これは、試合前、ハーフタイム時などに特別に披露するもの。従来よりあるチームスポンサーというカテゴリーは、この中でプラチナ、ゴールド、シルバー、ブロンズ(フラッグ?)に分けられている。これらのスポンサーの特典には、ピッチ横手に看板が設置できたり、スタンド後方に旗を掲揚できるなどが含まれているのだが、ピッチスポンサーはこれらとは別枠の大口になる見込み。ドームでの試合では、オーロラビジョンを使用してのCM広告も検討されている。
スポンサーの獲得は、親会社が赤字分をスポンサー料で補填しないクラブの場合、どのクラブにとっても入場料収入にならぶ一番の営業課題となっている。コンサドーレの場合、使用するスタジアムが借り物のため、ピッチに設置できる看板の数などに規制があり、無限大に増やすことはできない。そのため、スポンサー料の増収のためには、従来のスポンサー枠を埋める営業努力とともに、新しいスポンサーカテゴリーの開発が必要となる。今季も、シーズン前にいくつかのスポンサー枠が増やされ、HFCの増収に役立った。練習着にロゴをつけられるトレーニングウエアスポンサーがそれで、今季は札幌セミナーがクラブ初となるスポンサーをつとめた。また、従来のチームサプライヤーのカテゴリーもシーズン前に分かれて、ユニフォームサプライヤーとチームサプライヤーの二つになった。
そしてこれが大事なことなのだが、これらのスポンサー獲得にはサポーターの意識せざる協力が必要で、それなくしてはなりたたないことを知っておかなければならない。一般に観客動員数といわれている数字がそれで、たとえば、ピッチスポンサーを獲得するためには(また価格を高く設定するには)、この観客動員数がはっきりものをいう。実際、昨季途中から復活しスタジアムで入場者に無料で配られるようになったマッチデープログラム(MDP)などは、MDP内の広告枠で費用をまかなえるようになったのが理由の一つだが、それを受け取る観客数の後ろ盾も必要だった。
これらスポンサー枠は埋まっていて当然のものではなく(クラブによっては空いているチームも結構ある)、埋めるためには努力が必要なものなのだが、いずれにしても今回新設された枠がすべて埋まれば、来季は5千万から一億近い増収が期待できる。