【このページに載っているFAQ項目】
- 北海道フットボールクラブは何をするところ?
- 株主って何?
- スポンサーやサプライヤーって何?
- サポーターズ持株会って何?
- 運営が赤字だそうですが
- 2000年はどの様な経営計画ですか
- 将来の経営計画は明らかになっているのですか?
- 2000年度の経営陣はどの様になっているの?
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北海道フットボールクラブは何をするところ?
- 北海道フットボールクラブ(HFC)は、コンサドーレ札幌を運営する所です。Jリーグ規約で、Jリーグのクラブを運営する組織は、法人化していなくてはなりません。そのため、HFCも法人組織(会社)で、れっきとした株式会社となっています。北海道フットボールクラブという会社があって、そこがコンサドーレ札幌というクラブを作り、選手はそのクラブに所属してプレーをするわけです。法人化は、必ずも株式会社を意味しているわけでなく、モンテディオ山形のように社団法人が運営しているところもあります。
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株主って何?
- コンサドーレ札幌を運営している北海道フットボールクラブ(HFC)の経営に関しての用語の説明になりますが、株主というのは、HFCの株を購入し、資本金を提供する組織(団体)、個人のことを指します。出資者ともいいます。HFCの場合、大額株主から小額株主まで、実に200を越える株主がいます。この株主とスポンサーは違うものです。株主は、出資するわけですから、一応手元に株券が財産として残ります。これに対し、広告といったサービスを商品として販売し、その対価としてお金を払うのがスポンサーです。株主は経営側、スポンサーはHFCにとっては顧客になります。
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スポンサーやサプライヤーって何?
- コンサドーレ札幌を運営している北海道フットボールクラブ(HFC)の経営に関しての用語の説明になりますが、まず、スポンサーというのは、HFCにスポンサー料を提供する替わりに、広告してもらったり(ホームスタジアムなどで)、商品にHFCが商標権をもつキャラクターなどを使用する権利を獲得できたりしてもらう組織(団体)、個人のことを指します(個人というのはほとんど考えられませんが)。
- このスポンサーには、料金や形態によっていくつかの種類があります。それぞれ呼び方も変わるのですが、チームスポンサー、ユニフォームスポンサー、チームサプライヤー、サポートシップスポンサーは、全て、HFCのスポンサーになります。
- スポンサー料にも、松竹梅のようなランクがあって、額が異なってきます。最低でも100万円以上はかかるようです。一般にスポンサー料としてお金を払うのが(チーム)スポンサー、物で支払うのが(チーム)サプライヤーです。スポンサーの中でも、得にスポンサー料の高いユニフォームに広告を付けてもらうスポンサーのことをユニフォームスポンサーといいます。また、サポートシップスポンサーという、小額スポンサー制度もあり、こちらは5万円からスポンサーになることができます。
- スポンサー契約というのは、HFCの純粋な営業活動なので、スポンサー料は、そのまま、HFCの収入になります。スポンサーも、スポンサー料に見合うサービスを提供してもらうわけで、お金は戻ってきません。株主が出資する資本金とは、この点が異なります。
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サポーターズ持株会って何?
- コンサドーレ札幌を運営している北海道フットボールクラブ(HFC)の経営に関しての用語の説明をになりますが、サポーターズ持株会というのは、HFCに市民レベルからでも出資できるようにしたものです。従来は、個人株主は募集していませんでした(と思う)。額面を低く設定し、誰でも株主になりやすくしたもの。1口(5万円)〜19口までの単位で募集されています。個人・法人・団体のいずれでも申込は可能。ただし、常時募集が行われているというものではありません。
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運営が赤字だそうですが
- HFCの経営状態は赤字です。というより大赤字の状態です。HFCはJリーグのクラブとしてはめずらしいことですが、収支が発表されています。これはほんとにめずらしいことで、大きな親会社を持つクラブでは、赤字を見かけ上出さないために、親会社が数十億もの補填をすることもあり、この実状を公にしたくないため、終始の発表を渋っています。これにたいし、市民球団を目指すコンサドーレは、市や道からの融資や出資、またサポーターズ持株会などの市民参加の経営状態なので、市民の理解を得るために収支内容決算書を発表しています。赤字や経営のまずさが問題になるのですが、そのおかげで、問題が表にでたときは、クラブ消滅が決定していたといった福島FCや横浜フリューゲルスのようなことはおきません(コンサドーレがつぶれるときは事前にわかります)。クラブを支えるコンサドーレのサポーターは、スタジアムでは12番目の選手ですが、一歩スタジアムの外にでれば、12番目のフロントとしてクラブ運営のスタッフとして参加し、経営問題に一緒に頭悩ますことも求められています(大変ですけど)。
- 発表されている資料によりますとおおよそ以下のとおりです(単位:億円)。数千万円の単位でずれていることがあるかも知れませんが、大筋はあっているはずです。なお、詳細な明細書が欲しい場合は、税務署だったかな(とにかくその筋の役所)に行くと閲覧することが出来るそうです。
- 初年度となった96年は、資本金、15億円を集めたものの、8億円の赤字を記録。
- 97年は、平均1万人の観客動員があったため、収益は大幅アップ。しかしながら、スポンサーの獲得に難渋したようで、結局、計画の10億円の収入は確保できず。一方、支出は初年度の反省を踏まえ、オフに大量補強をしたため、計画段階で支出は大幅にアップ。こちらに関しては、ほぼ計画通りの支出額で終わったものの、結局、前年以上の赤字を記録。累積赤字が18億円になったが、資本金の増資が出来ていたため、債務超過にいたらず。
- 念願のJに昇格した98年、入場券の単価が上昇した上に観客動員数は前年度の平均を上回ったため、入場料収益は大幅アップ。しかしながら、予定していたスポンサーは計画の6億円の半分の3億円しか集めることができず、結果、計画より3臆少ない12億円。一方、Jに昇格しても、大きな補強をせず、支出を前年と同じレベルに抑える経営計画を立て、実際その額に経常損失を納めたものの、特別損失4億円を計上し、結果的に総支出額が21億円にも膨らみ、9億円の赤字。結果、ついに債務が資本金を上まわる債務超過の状態になってしまった。
計画 実績 累積赤字 資本金 収益 費用 差引 収益 費用 差引 その他 1996 − − − 4.7 12.7 ▲8.0 ▲8.0 15.0 1997 10.0 18.0 ▲8.0 7.8 17.8 ▲10.0 ▲18.0 21.8 1998 15.0 17.0 ▲2.0 12.0 21.5 ▲9.5 ▲27.5 22.1 債務超過の状態 1999 14.0 14.0 0.0 11.5 13.5 ▲2.0 ▲29.5 22.1 債務超過の状態 2000 13.5 13.0 0.5 13.5 13.0 0.5 ▲29.0 22.5 債務超過の状態
初の単年度黒字 - 99年度HFCは「コンサドーレ札幌」北海道後援会に力を入れていますが、その理由も上の表を見ればよくわかります。後援会で集められたお金は、HFCに寄付されるため、それは収入に加算されます。結果、予定していた営業収入にプラスされるため、赤字が減ります。これはスポンサーが増えても、また入場者数が激増しても同じことがおきます。一方、最初の頃(96年97年)力を入れていたサポーターズ持株会制度ですが、こちらは、資本金が増えることになります。出資企業を募ったり融資してもらったりするときは、基本的に資本金が増えます。資本金の増加は結果的に経営を安定化させますが、赤字の額には全く関係ないことがわかります。すなわち、年々増大する赤字をなんとかしなくてはいけない状態になったたためと、収入の増収がスポンサー収入に頼れなくなった結果、資本金の増資よりも、赤字の減少に繋がる後援会や募金に力を入れました。それぐらい、HFCの経営状態は非常に危険な状態ということです。
- しかしながら後援会収入で4億という途方もない額を計画段階で組み込んだせいか、1億円しか集められず、この差額3億がそのまま赤字に反映することになりました。
- 2000年度の経営計画では、99年度の経営実績を受けて、営業収入目標を10億5千万円に設定。これに道や札幌市からの補助金、後援会費(前年の実績をふまえ、後援会収入は1億円で計算)など営業外収入3億円(おそらくそれぞれ1億円)を加え、総収入は13億5千万円あまりになるとみこんだ。これに対し、総支出は99年度からさらに約1億円絞って13億円。最終的に5千万円余りの経常利益を出したいとしている。昨年同時期に発表された事業計画に比べ、かなりリーズナブルになっている。記者会見の席上、田中良明HFC社長は「2000年度は何としても単年度黒字を実現したい。累積赤字を解消する計画を立てたい」とコメントした。なんとかして単年度黒字を出さないことには、累積赤字削減のための事業計画が立てられないようで、中長期計画は発表されなかった。
- 2000年度決算が終了した段階で、計画通り単年度黒字が計上される模様。わずかですが、コンサドーレにとって初の黒字です。また、2001年度はサポーターズ持株会が2億5千万円の増資を行い、総株式25億に増資。総株式に占める割合が20%5億円となって筆頭株主になることが明らかになっています。
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2000年はどの様な経営計画ですか
- 2000年の経営計画は、以下の通り。営業収入は、99年度の収入実績をうけて算出。一方、支出は、昨年までの14億円からさらに1億円絞った13億円。人件費など絞れるところかなり絞っている模様。
- 収入:13億5千万円
- 支出:13億万円
- HFC経営陣は、絶対赤字の出せない年という位置づけで、5千万円の単年度黒字を見込む。
- サポーターが、この中でコンサドーレのためにできることは、やはり、スタジアムに足を運んで、入場料収入を増やすことでしょう。平均1.2万人に設定していますが、これが、1.5〜1.7万人になれば、もう1億円ほど収入が増えます。
- 2000年の経営計画は、以下の通り。営業収入は、99年度の収入実績をうけて算出。一方、支出は、昨年までの14億円からさらに1億円絞った13億円。人件費など絞れるところかなり絞っている模様。
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将来の経営計画は明らかになっているのですか?
- 97年2月に道や札幌市からの融資を受けるために、中期経営計画が発表されました。以下のとおりです(単位:億円)。数千万円の単位でずれていることがあるかも知れませんが、大筋はあっているはずです。
- 経営計画では、2000年に収支をゼロに持っていき、2001年からは1億円の黒字を計上することを目指しています。その後は毎年黒字を計上し、繰越損益を解消していきます。98年の赤字が、97年に比べ、一気に減少しているのは、Jリーグ昇格に伴い、チケット料金の倍増などの収入が増加するのに対し、支出面では選手年棒などを押さえて、人件費を97年よりさらに抑えたからです。2001年から黒字なのは、札幌ドーム完成に伴い、スタジアムの収容観客数が増加。それに伴い、入場料収入の増加が見込めると踏んでいるからです。
計画 実績 累積赤字 資本金 収益 費用 差引 収益 費用 差引 1996 − − − 4.7 12.7 ▲8.0 ▲8.0 15.0 1997 10.0 18.0 ▲8.0 7.8 17.8 ▲10.0 ▲18.0 21.8 1998 15.0 17.0 ▲2.0 ▲20.0 1999 ▲1.0 ▲21.0 2000 ±0.0 ▲21.0 2001 +1.0 ▲20.0 - 以上の計画からも明らかなように、98年と99年は単年度収支が赤字になる予定です。そのため、年度末も、マスコミには、『HFCは今年も赤字』『大丈夫か』などの文字が躍ることになると思います。最初から赤字になる計画なのだから、これは仕方がないことで、コンササポーターはその取り上げられ方だけで、慌てないようにすることです。大切なのは、その金額で、予定通りの損益なら、HFC経営陣は結構頑張っていると評価することができます。しかしながら、前年と同じ様な損益を出すようだと、経営陣の責任は重いと言わざるを言えません。と、98年、シーズン前に説明しました。
- ところが、98年実績は以下の通り、初年度の98年度収益からして大赤字の結果となっています。また、上記の中長期計画は、J1に残留した場合の計画だったので、J2に降格したことをうけて、99年以降の計画は大幅な見直しを迫られました。このため、99年以降も赤字の額が大きく下がっていません。債務超過に陥った現在、ちょっとしたはずみで最悪倒産の可能性が出てきてしまった北海道フットボールクラブです。
計画 実績 累積赤字 資本金 収益 費用 差引 収益 費用 差引 1996 − − − 4.7 12.7 ▲8.0 ▲8.0 15.0 1997 10.0 18.0 ▲8.0 7.8 17.8 ▲10.0 ▲18.0 21.8 1998 15.0 17.0 ▲2.0 12.0 21.5 ▲9.5 ▲27.5 22.1 - 現在では、HFC経営陣はとにもかくにも単年度黒字を出すことに注力しており、新たな中長期計画は発表されていません。とにかく黒字化のめどを立てないと(どの程度の経営絵計画と運営で実際に黒字になるのか)、赤字減少のための中長期計画がたてられないということのようです。
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2000年度の経営陣はどの様になっているの?
- HFCの経営陣にあたる役員は以下の通り。代表的な人だけを。98年3月にHFC赤字経営の責任を取る形で、経営陣トップは以下のような人に総入れ換えになりました。その後、98年Jリーグ入れ替え戦で敗れた際、責任をとっての交代も考えられましたが、田中社長が“昨年、入れ換え戦で負けたとき、責任を取ってやめようと思った。ただ、単純に責任を取ってやめるより、歯を食いしばってでもJ1に昇格させることの方が、正しい責任の取り方だと思った。”とコメントしているとおり、責任はJ1に昇格するということでとるようです。そのため、99年3月の株主総会で主な役員は再任されました。2000年もほとんど同じ陣容のはずです。
- HFC取締役会長:坂野上明氏(北海道新聞社長)
- HFC取締役社長:田中良明氏(札幌リゾート開発公社社長、札幌市元助役)
- HFC取締役副社長:石水勲氏(石屋製菓社長)
- HFC取締役相談役:堂垣内尚弘氏 (北海道体育協会長、元北海道知事)
以下、専務取締役1名、常務取締役2名、取締役6名、常勤監査役1名、監査役2名となっています。
- HFCの経営陣にあたる役員は以下の通り。代表的な人だけを。98年3月にHFC赤字経営の責任を取る形で、経営陣トップは以下のような人に総入れ換えになりました。その後、98年Jリーグ入れ替え戦で敗れた際、責任をとっての交代も考えられましたが、田中社長が“昨年、入れ換え戦で負けたとき、責任を取ってやめようと思った。ただ、単純に責任を取ってやめるより、歯を食いしばってでもJ1に昇格させることの方が、正しい責任の取り方だと思った。”とコメントしているとおり、責任はJ1に昇格するということでとるようです。そのため、99年3月の株主総会で主な役員は再任されました。2000年もほとんど同じ陣容のはずです。