J2寸評 第27節:連敗はしない

 ついに連勝の止まったコンサドーレ札幌。いつかは負けるときが来るのが勝負の世界の掟なら、シーズンで戦うリーグ戦では連敗しないのが、良い成績を収めるための鉄則。そのため、この日の山形戦、引き分けではなく格好悪くてもとにかく勝たなくてはいけない試合となった(引き分けでは連敗は記録上止まらない)。
 この試合、累積警告でエメルソン選手が欠場。先発は播戸、黄川田のツートップ。他はいつもと同じメンバー。試合の方は、疲れがでてきているのか、前節と同じようにまったりとした展開で進む。前半はお互い決め手無く淡々と進み、試合は後半へ。後半5分、右へ流れたボールを走り込んだ田渕選手がセンタリング。ゴール正面でジャンプ一番、頭一つ抜け出た黄川田選手が競り勝ち、ゴール右に流し込み先制。そのままこの1点を守備陣が守りきり、3試合ぶりの完封勝利を納めた。圧倒していたわけでもなく、危ないシーンもちらほら見られたが、最後の一線で頑張って耐えていたような感じの試合。エースがいなくても、コツコツと確実に勝ちを拾う。派手じゃないけれど、こういった勝ち方はリーグを勝ち抜くためには重要である。
 今節他会場の結果は、浦和が仙台で引き分け、大分が新潟でVゴール負けと、2、3位チームが揃って足踏みしたため、前節詰められた差を再び広げた。大分のウイル選手は前節の札幌戦から4試合出場停止、浦和の小野選手は五輪期間不在になる可能性がある。エースがいないときの戦い方は、コンサに限らずどこのチームも大事。今後のポイントになりそうである。中位グループは、仙台、湘南、鳥栖、水戸が固まってきて接戦を演じている。最下位甲府はついに21連敗。どこのチームも、暑さとスケジュールによるつかれには、手を焼いている。
 この日の試合も、試合終了の笛が鳴ったとたん、コンサドーレの選手の何人かは膝に手をついた。地面に座り込んだ選手もいた。山形の選手が立っていたのにである。勝ち試合だったから、コンサドーレの方が楽だったというわけではない。コンサドーレの戦術の基本は、守備だから、ある程度相手に会わせる必要がある。結局勝つためには、相手チームより、より多く走り、より速く動き、よりたくさんボールにさわることが肝要。つかれるわけだ。順位は良いところにいるから、精神的にはいい状態でいられるかもしれないが、身体的な疲れは、どのチームにも関係なくやってくる。そんな中で勝ち続けることのナントきついことか。ここしばらくは、万全なチーム状態で完璧な試合運びはそうそう見れないだろう(秋に入って涼しくなるまで)。
 今季のスケジュールでは、コンサドーレは第15節から32節までまったく休みがない。唯一あったJ2共通の中休みの週も、室蘭で対浦和戦をこなしている。9/11まで毎週週末はかならず試合をこなし、時に平日の試合もこなす。夏も佳境に入り、涼しい北海道でホームを戦っているとはいえ、疲れがそろそろたまってくる季節になった。8月から残暑の残る9月にかけては、どこのチームも取りこぼしのでる季節でもある。身体的な疲れを精神力で抑えて選手が戦っているのなら、そんな時こそサポーターの出番。土用の丑じゃないけれど、コンサドーレの選手に元気が出て精のつく、そして疲れが吹き飛ぶような応援をしようではないか。
 次節コンサドーレはアウェイで水戸と。8月は、アウェイの試合の方が多い。そして次節は浦和が休み。大分がきっちり勝ちを収めれば、勝ち点差3で次々節大分浦和の直接対決が見られる。

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