今年のナビスコカップで問題になった“最強メンバー”問題。この問題に回答を与える形で、Jリーグは、この日行われた理事会で、Jリーグ規約第42条の「最強チームによる試合参加」の補足基準を決定し、細則として追加した。
この問題は、Jリーグの試合(リーグ戦とカップ戦)にはその時点の最強のメンバーで各クラブは試合に臨まなくてはならないというJリーグ規約第42条に唄われているのに、ナビスコカップに選手を大幅に入れ替えて参加したクラブがあり、それがこの規約に抵触するのでは、ということが問題になったもの。各クラブに対し、聴聞なども行われたが、結局、Jリーグ規約第42条の説明が不十分でわかりにくかったということで、規約を改正するということで落ち着いた。
この“最強メンバー”問題では、コンサドーレ札幌も無縁ではない。1997年ナビスコカップの決勝トーナメント1回戦で当時のフェルナンデス監督が、試合前に『ナビスコカップでは控え選手を中心に戦う』と発言したのをJリーグに詰問されたことがある。J昇格を目指して戦っていたJFLも終盤の秋口にリーグ戦の合間を縫ってナビスコが開催されたこともあってのことだったが、『シーズン終盤でけが人も多いこともあり、けが人にかえて控えの選手を使う意味だ』と回答して不問になった経緯がある。実際、試合ではそんなに選手が入れ替わったわけではなかった。
今回追加された細則は、文末に掲載するが、7月18日から施行され、それ以降のJリーグの試合に適用される。細則には、違反する場合の定義がしっかり記載されており、また違反した場合の罰則規定もあるしっかりしたものになっている。なお、この細則が、もしこれまでのJリーグの全試合で適用されていたら、違反となるのは、今年のナビスコカップ1回戦で福岡、市原の2クラブが10人ほどの選手を大幅に入れ替えた試合のみである。
『リーグ戦(J1、J2)、リーグカップ戦における先発メンバー11人は、当該試合直前のリーグ戦5試合(以下「直前5試合」という)の内、1試合以上先発メンバーとして出場した選手(以下「直前5試合先発選手」という)を6人以上含まなければならない』
ただし、次の事項については例外として取り扱うものとする。
- 次の選手は試合出場実績にかかわらず「直前5試合先発選手」とみなす。
- 前年または当年にA代表チーム、U22~U23代表チーム、U18~U20代表チームに選出された選手(候補は除く)
- プロC契約以外の外国籍選手
- シーズン途中に同リーグまたは上位リーグの他クラブから移籍してきた選手(ただし、移籍直後に開催される3試合のみ対象)
- 次の理由により選手が上記の試合に出場できない場合、その試合は「直前5試合」から除く。
- ケガ、病気など(要医師の診断書。ただし、チーム全体で基準を満たしている場合は提出不要)
- 警告の累積、退場などによる出場停止
- 「日本代表チーム」メンバー選考のための合宿・遠征など
- 上記基準を満たさない場合は、当該試合後のリーグ戦5試合を経過観察する。
- ペナルティ
- リーグ戦で違反した場合は、1試合につき、勝点3をそのチームのリーグ累積勝点から引く。
- リーグカップ戦で違反した場合は、次年度のリーグカップ出場権を剥奪し、Jリーグがリーグカップ戦で得た収益の配分は行わない。