J2寸評 第23節:J2後半戦開幕

 J2は早くも後半戦。個人的に今月を『コンサドーレ札幌応援強化月間』と密かに呼んでいる。後半戦開幕となる新潟戦から、7月中に行われる浦和、仙台、浦和戦に8月はじめの大分戦までの5試合である。コンサドーレの今の調子に浮かれることなく、今月はかなり力を入れて応援しなければならない月だという意味も込めている。それだけ重要な5試合と自分は思っているわけだ。“月間”と呼ぶからには大分戦のかわりに7月最初に行われた大宮戦の方にした方が良かったが、大宮戦は前半戦だったので含まず、後半戦開幕の5試合にすることにした。応援を強化する月間と呼ぶわけは、浦和との二試合があることに加え、大分との上位チームの対戦が続くからだが、その間に対戦する新潟、仙台も今のチームの調子を見るにあなどれないからだ。
 はっきり言って、今の新潟、仙台は上り調子で要注意。試合もシーズン半分をすぎれば、その時点でのチーム力や調子と、順位表の順位が必ずしも一致しない。その最たるものが、仙台であることは前回の寸評で紹介したが、新潟も同じように調子をあげてきているチームの一つ。ここら辺の判断は、各チームの星取り表を順番につけていればわかるが、白い記号が続くようになる。サッカーファンの数だけサッカー評論家がいる、といわれるように、みんな独自の展開予想をしていると思うが、とにかく後半戦全体の流れを決める最初の5戦、この5試合を勝ち越せれば逃げ切れるだろうし、負け越すようだと混戦になるとよんでいる。
 さて、その強化月間の最初の試合は新潟戦。心配された台風は、コースを避けてくれて、試合は無事開催された。試合の方は台風の様に荒れるわけでなく、静かな展開をみせる。前半は両チームゴールを割れず、勝負は後半戦へ。先取点を奪ったのはここんとこ調子のいい新潟。後半15分、新潟の寺川選手にゴールを割られる。先取点を取られるとやっかいな新潟。コンサ追撃に入るがなかなか同点弾を決められない。そして試合はあっというまに終盤へ。終了間際のこの時間帯といえばはこの男。そう、エメルソン選手。ロスタイムではなかったが、後半43分、みんなの期待に応えたゴールは、播戸選手からのセンタリングに飛び込んでの見事なヘティングシュート。J2新記録となるシーズン通算20得点目を決めた。試合はこのまま延長にもつれ込み、延長後半開始直後の森選手のヘティングシュートで決まった。
 勝っても負けていても何かが起きる終了間際。札幌の選手はサービス精神が旺盛なのだろうか(^^)。チームは、連勝記録更新の14連勝。まずは延長Vゴール勝ちながら応援強化月間の初戦を制した。
 今節他の試合の結果は、浦和が鳥栖に0-2で完封負け。3位4位決戦となった大宮-大分戦は大分が勝利をおさめ、大宮をかわし3位に浮上。大分はおよそ1ヶ月ぶりの勝利。チームの調子の波はだいたい月単位だから、そろそろ大分は調子をあげて来る頃だろう。5位の湘南は延長Vゴール勝ち。6位の仙台は90分勝ちで、湘南に勝ち点差なしの位置につけた。ついに仙台も湘南に噛みついたといったところか。
 浦和は鳥栖に負けて四敗目。マスコミの論調も“どうした浦和”といった記事が続くが、ホントのとこはどうなんだろうか。というのも、浦和の現在の勝ち点比では7割(8割近い)はキープしているし、3位の大分との差も7ある。札幌と浦和の差も同じ7なのに、浦和の尻には火がついたと言われるが、札幌の尻には火がついたといわれない。40試合全勝の完全制覇を目指していたのなら、今の成績は不満だろうが、そんなことは、J1のチャンピオンチームにだって難しいこと。今年のナビスコはJ2勢が全敗したが、例年のナビスコや天皇杯をみてもJ1の2、3チームはJ2勢に負けている。すなわち、普通にやってれば7、8チームに1チームはJ2に負ける勘定になる。これを節に直せば、7、8節に1回は取りこぼしをするということになり、40節あるJ2では、シーズンで5、6敗はするという勘定になる(ちょっと飛躍した論理ではあるが)。浦和はタレントが揃ってはいるが、J2に落ちたチームであること考えると、これらの勝率はもう少し下がって、シーズン通して8、9敗がリーズナブルな読みだろう。そうするとシーズン半ばで4敗は範囲内だ。それでも勝率は8割近くはあるわけで、充分優勝をねらえる。まあ浦和についての感想は、今月二試合あるので、その時の寸評で詳しく述べることにしよう。
 さて、次節は、延期になっていたその浦和戦。他の試合は休みで札幌-浦和戦のみ。現在、札幌-浦和-大分の勝ち点差がそれぞれ7。この差が試合が終了したときにどうなっているのか。後半戦の流れを決める試合になるかもしれない。

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