ここまで中休みを挟みながら3連勝の札幌。一試合少ないながら首位浦和にぴったりつけている札幌は、連勝をかけてここまで未勝利の最下位仙台との対戦となった。今でこそ山形も同じ様な距離にあるが、早くからプロ化した仙台とは、JFL時代から隣チーム(隣といってもかなり離れているが)同士ということでお互い負けられないといったライバル心が非常に強かった。ホームでは苦戦した記憶がそれほどない仙台戦だが、こと仙台での試合となると接戦になることが多く札幌はかなり苦戦している。今季ここまで結果が出ず最下位とはいえ、お互い変なライバル心を持っていることと、札幌は『上位チームに当たるまでは取りこぼしは出来ない。それが最下位の相手ならなおさら』といった変なプレッシャーのかかる試合となったため、結構難しい試合になるのではと予想された。
試合の方は、仙台スタジアムでデーゲームでおこなわれた。前節の新潟戦で負傷したビジュ選手とエメルソン選手の出場が危ぶまれていたが、二人とも先発で出場した。試合はがっぶりよつの展開となり、時間が経つにつれ、札幌が押し込まれるシーンが目立つようになった。中盤から勝負を挑み高い位置に押し上げてくる仙台に札幌がじりじりと下がると行った感じ。それでも、先取点は札幌が決める。前半36分、カウンター気味に右サイドからボールを持ち込んだ田渕選手からのセンタリングを黄川田選手がヘッドで二試合連続となるゴールを決めた。
押されていてもゴールを決めるとこなどは今の札幌の勢いを感じさせてくれたが、試合は仙台ペース。攻勢にでる仙台は、後半10分小林選手がDFラインの裏に抜け出し同点ゴールを決めた。札幌にとっては今季初失点となるゴールを決められ、嫌なムードが漂いはじめたが、最後はこの人、エメルソン選手が決めてくれた。後半15分、CKからビジュ選手が頭で落としたボールに反応し、開幕から4試合連続となるゴールを決めた。吉原選手の持つ開幕3試合連続ゴール(1996年JFL)のクラブ記録更新。このあと仙台の攻撃を耐え、札幌はこのまま2-1で逃げ切った。
最下位のチーム相手に苦戦したが、これがサッカーというものだろう。長いシーズンには好不調の波があるし、悪いときには悪い時なりにコツコツと勝ち点を稼いでいくことが肝要。よくぞ90分で勝ってくれたといいたい。
さて、今節のJ2リーグは上位チームが全て90分で勝った。前評判の高いチームが上位に固まりつつある。各チーム好不調が伝えれているが、きっちり結果を出しているのはさすがだ。そんなJ2にあって、今の注目は水戸だろう。今季J2に昇格した水戸だが、戦いぶりがいい。大分を倒し、今節の湘南など上位陣を苦しめる戦い方を知っている。グラウンドまで見方につけるその戦いぶりははっきり言って驚異だと思う。札幌にとっては、水戸との対戦が1巡目の終わりの方でラッキーだったかもしれない。
次節は、室蘭で浦和との首位決戦となる予定だったが、有珠山噴火の影響で延期が決まった。新しい日程などの発表は後日だが、そんなわけで次節は休み、次の試合は次々節のアウェイ大分戦となった。ここまで四連勝しているとはいえ、順位表を見てみると、7、8、9、11位と下位チームばかり、そんな位置にいるチームとの対戦ばかりだから札幌が勝てたのか、それとも札幌に負けたからそんな位置にいるのかは、試合数が少ないだけに判断が難しいところだが、上位にいる大分相手の試合で今季の札幌の実力の度合いがわかるというもの。大分はすでに二敗しているが、前評判では札幌より上にいたことを忘れてはいけない。昨年、開幕戦で負かされ、つまづきの原因になった大分。同じアウェイの地で見事雪辱し、今シーズンの快進撃の礎に出来るか、注目される。エメルソン選手には、昨年新潟の某選手が記録した5試合連続ゴールのJ2タイ記録への期待がかかる。