J2寸評 第1節:でだしは最高

 ついにというか、待ちに待った2000年のシーズンが開幕した。ちょうど一年前、同じ九州の地(1999/3/14;大分)での開幕戦では、0-1で完封負けしている。苦しくつらい一年の経験はコンサドーレを成長させてくれたのであろうか。シーズン開幕から好調が伝えられているコンサドーレの仕上がりは?、二年目の岡田武史監督はどんなサッカーを目指すのか?、噂の新ツートップの調子は?、新加入選手はいかに?と見所満載となった開幕戦は、アウェイ鳥栖スタジアムサガン鳥栖。200名を越えるコンササポが乗り込んだ。
 試合の方は、期待の両核弾頭が大爆発。前半12分に播戸竜二選手がこぼれ玉を押し込んで、記念すべき開幕ゴールで口火を切ると、負けじと相棒のエメルソン選手が前半41分、後半15分、31分とゴールを決め、開幕戦ハットトリックを記録。守ってはコンサ守備陣が鳥栖の攻撃をきっちり抑え完封し4-0で完勝した。
 コンサと鳥栖は対戦成績では大きく勝ち越しているが、実は決して相性の良い相手ではない。いつもなぜか必ず接戦になる。鳥栖は大きな補強をしなかったが、昨年に比べると選手のモチベーションも上がり、チームは確実にレベルアップしていると伝え聞いていたので、開幕戦の相手としては非常に嫌な感じのする相手であった。ふたを開けてみると4-0の快勝。鳥栖のレベルが落ちたというよりは、コンサドーレのレベルが昨年に比べて上がっていると判断した方が良さそうである。たった1試合からの判断ではあるが。
 今年のコンサドーレは、3-5-2のシステムを採用しつつ4-4-2も併用する様だ。昨年は4-4-2に固執して、劣勢になると緊急避難的に3-5-2のシステムにゲーム中に変えたりしていたが、逆に練習していないシステムのせいか実際あまり機能しなかった。今年は最初から両方を併用する心づもりなのか、練習で両方のシステムをあらかじめ併用して、両方のシステムでの動き方を指導している。今節の試合も選手登録上は4-4-2となっていたが、試合の方は3-5-2になっていた。
 開幕戦を終了して、コンサドーレ札幌は得失点差で首位に立った。これは97年JFL以来三年ぶりののこと。今節は昇格の本命、浦和、湘南、大分が勝利。昨年の最終順位表を参考にすると、札幌も含め順当に上位チームが勝利した。昨年の成績で一番勝ち点差の少なかった大宮新潟戦がもっとも波乱が起きやすかったが、起きて下位の大宮が勝利。ちなみに次に勝ち点差がすくなく波乱が予想されたのは大分山形戦。こちらは途中までもつれたが、終盤大分が突き放した。
 今年の開幕戦は下馬評通りのチームが勝利をあげ、本命の昇格争いになるのかもしれない。昨年は前評判の高いチームが軒並み開幕戦を落とし波乱のシーズンを予感させたのとは対照的な開幕戦となった。チーム力の個人的な予想としては、浦和、湘南、大分、新潟等の上位チームのチーム力は大分をのぞいて昨季と同じであろう。大分は大がかりな補強を行ったが、コンサにから見て上位にいることから、戦い方や姿勢は昨年と同じでいいと思う。上位のチームが補強してさらに強くなっていたとしても、下位のチームから見たら、相変わらず上位にいるわけで戦い方は変わらないということ。それより、むしろ下位にいたチームで補強によりチーム力をアップしたチームが要注意。該当するのは大宮と仙台。昨年のチームレベルから大きく力が伸びているのはこの二チーム。仙台は開幕戦こそ退場者を出し結果が出なかったが、昨年のレベルから中の上位レベルくらいまで上がっている。大宮は、昨年の中レベルから上の仲間入り。このようなチームと戦うときは、昨年と同じ様な気で戦うと見事足下をすくわれる。他の山形、鳥栖、甲府、水戸のチーム力は昨季とほとんど変わらないであろうが、これは決して甘く見れるということを意味しているわけではない。あくまで昨季と同じレベルのチーム力であるということであり、コンサより強いとか弱いとかいっているのではない。いずれにしても二部リーグがプロ化されて二年目、選手の意地とレベルが昨季以上に各チーム上がっており、いくつもの波乱やドラマが展開されることであろう。かつてない40試合という長いシーズンがこれを後押ししている。コンサには圧倒的に勝つ“強いコンサ”よりも、劣勢や不利な状況になっても決してあきらめない“不屈のコンサ”であってほしいと思うし、期待したい。
 次節は、ヴァンフォーレ甲府戦。甲府は今節試合が無く次節が開幕戦。甲府の選手たちのモチベーションは当然高いであろうし、コンサと小瀬競技場の相性はすごく悪いことから、次節の対戦もなかなか厳しいものになりそう。

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