【寄稿】OSC代表者会議のご報告 by ゆかとすさん

みなさんは、オフィシャルサポーターズクラブ(OSC)代表者会議というのをご存じですか。この会議は、コンサOSCの代表者が一堂に会して行う会議です。主催は、北海道フットボールクラブ(HFC)で、HFCからの連絡事項やお願い、また、OSCからクラブ側への要望や質問が話し合われます。 コンサドーレが札幌に出来た96年の12月に、当時わずか10しかなかったOSCが参加して、第1回が開催されました。
従来は、OSCの代表者しか参加できなかったのですが、今年開催された会議では、初めてOSC関係者以外の人も参加できるようになりました。従来のOSC会議に、サポーターが主催していた“サポーター集会”の一部が、MIXされたような形になりました。おそらく今後もこのようなスタイルになるのではないかと思います。
この会議は決して閉鎖的なものではなく、密談めいたものでもありません。また何か決定されたり、決議されたりするわけではありません。もともとは、HFCがサポーターの考えを聞きたいと言うことで、ある程度意見のまとまっているグループであるOSCを呼んで開催したというのが経緯です。
従来はOSC関係者しか内容を知り得なかったので(別に内容は秘密ではないのですが)、ほとんどの人は知らないかと思います。今回、第一回から参加されているOSC「コンサドーレ寄り」の代表のゆかとすさんに、会議でのHFCからの報告事項をまとめてもらったので紹介します。年に数回、次回はいつになるか、また、次回もOSC以外の人が参加できるかは不明ですが、興味を持たれた方は、次回参加されてみては。また、今回の会議の議事録がファンクラブ事務局で公開されているようです。

なお、以下の記事中に、追加された脚注は、ウェブマスターが追加したものです。
(以上記事:二上英樹)


OSC代表者会議のご報告 by ゆかとすさん

皆さん、こんばんは。6/29(火)に今季初めてのOSC会議が開催されました。私もOSC「コンサドーレ寄り」の代表として出席してまいりましたが、せっかくの生の情報ですので、この場をお借りして内容をかいつまんでご報告させていただきたいと思います。
この日のOSC会議は、札幌市民会館2F1号会議室、時間は18:30~21:00で開催されました。今回のOSC代表者会議は、初めてOSC以外の方も参加できるようになり、会場には80名くらいの方が集まっていたように思います。
また、出席者は、HFCより、濱田常務、鈴木常務、小川部長、高橋次長、佐藤氏(以上雛壇での報告・回答者)、ファンクラブ事務局林さん(会場内でのお手伝い)。札幌市より、スポーツまちづくり推進室・山田氏でした。

(1)OSCとファンクラブ会員について

  • 6/28現在のOSC数→90クラブ(全体人数930人)
  • 6/28現在のFC会員数→個人3,132件(内ニコス会員498件)
    • 家族1,468件/4,268人
    • 計 4,618件/7,400人

(2)前年度収支決算及び今年度予算と進捗状況(HFC濱田常務)

4/18付北海道新聞全面広告のコピーが資料として配布される。紙面の3分の1程度は「経営の実態」と称した内容。平成10年度の決算内容及び平成11年度の予算内容がわかる表を掲載し、累積赤字27億円となってしまった根拠を具体的に説明した内容となっています。また同じく3分の1は、後援会会員募集告知に紙面が割かれています。残りの3分の1は、「サポーターの血」(観客動員数に関すること)、「夢の先にあるもの」(地域密着型のチームづくりに関すること)「監督・岡田の選択」(地域に根ざしたクラブ実現の可能性が北海道にはあるといった内容)となっています。
それによると、平成10年度単年度の損失は約9,700万円、前年繰越損失約1億 7,800万円と合わせると、既に報道等で公にされているように累積損失が、約2億7,500万円。
今年度の費用・支出予算が約14億7,500万円、営業収入予算が約10億5,400万円となっており、残りの約4億2,100万円は営業外収入として予算計上が必要ということになる。後援会収入4億円という予算計上の根拠はこういう理由によるものである。
5月末現在で、営業収入・支出共に概ね予算通り推移している。皆さんが心配されているような資金ショート=倒産ということは今現在はありえない。*文末参照1
但し、今年度の後援会収入の実績が0ということになれば、間違いなく資金ショートという状況に追い込まれるであろう。後援会に関しては後ほど詳しく説明させていただく。

(3)チームの理念について(HFC濱田常務)

チームが存続し続けること。これはHFCの責任である。お金をかけずにチームを誕生させたことを原点として、今後も札幌の子供達の夢を実現させていきたい。チームとしての方向性は、「札幌にあるチームはJ1であるべきだし、それを維持していくべきだ」と考える。限られた予算の中で実現させていくために、以下のようなプランを考えている。
お金をかけない選手補強を
地元選手の育成
ユース(現在は高3までラインアップ)の強化→来季はトップへ
よりよい選手を獲得するために練習場等ハード面の問題をどうするか?
札幌ドームの中にクラブハウスをビルトインする構想
「コンサドーレスクエア」と位置づけたい
経費を抑え、収益を上げる努力を
興行収入、広告収入だけでは黒字にならない
来年度のスポンサードは高額を見込みたい
それでもどうしても黒字体質が見込めないのであれば、市民のバックアップを望むしかない→後援会
今年に関してはチームの倒産はないし、来年以降は以上のような基本的な考え方を実現していくことで回避できると考える。

(4)入場料収入に関して(HFC小川部長)

6/28現在でカップ戦も含めホームゲームが8試合。様々な要素を鑑みて試合毎に予測を立てているが、リーグ戦の入場者実績が累計で59,243人、ナビスコ杯1試合が1,854人で合計61,097人。予測が63,793人なので、ほぼ予測値通りに推移している。尚、入場料収入は平均客単価1,800円で計算している。

(5)広告料収入に関して(HFC高橋氏)*文末参照2

昨年度→36社(サプライヤー8社)・サポートシップスポンサー61件
今年度→44社(サプライヤー9社)・     〃      104件
今現在、スポンサーからの寄付金も含め、広告料収入は約3億4,000万円で推移している。札幌以外のスポンサーも増えている。

(6)後援会の実状について(札幌市スポーツまちづくり推進室・山田氏)*文末参照3

昨年8月~今年6月までの入会者数が約11,000人、会費収入として約7,400万円の実績。ファンクラブとの違いやイベントに関する問い合わせをいただくことがあるが、純粋にチームのために集めたお金はそのまま寄付するのがベストなのではないかということで、主旨をご理解いただいた上でご協力をお願いしている。なるべく経費をかけずに、札幌だけではなく全道各地に周知を。4億円という金額は極めて困難ではあるが、頑張っていくしかない。

(7)後援会及び広報活動について(HFC小川部長)

ゲーム開催地は多大なる協力をいただいているが、距離が離れるとチームとのふれあいが少ないため、キャラバンで回っても現実は厳しい。イベントを通じてコンサを理解してもらおうと、今年は帯広・室蘭・函館・旭川・北見等でイベントを予定している。
サッカースクールとして、浅沼指導員が市町村を巡回。現在19市町村が受け皿を持っている。更に9市町村をプッシュしている。
後援会に関しては、企業の組合等に働きかけをしていくつもりでいる。

(8)CVS(コンサドーレボランティアスタッフ)について(HFC佐藤氏)

主に試合運営のサポートをしてもらおうと、昨年立ち上げ。従来アルバイトを雇っていた部分をボランティア化。
昨年97名(1試合当たり20名)
今年156名(1試合当たり55名)
今年は交通費の現金支給を廃止し、オリジナルウィズユーカードを配布。また、リーダー制の導入を考えている。*文末参照4

HFCからの報告事項は以上の通りです。全てメモした訳ではありませんので、もし詳しい内容をお知りになりたい方は、札幌市大通りにあるコンサオフィシャルグッズショップ内のコンサドーレファンクラブ事務局で議事録をご覧下さい。
この後、質疑応答となりましたが、この部分は全くメモを取っておりません。時間が押して、質疑応答の時間があまり取れなかった(質問者がまだ残っていた)のが残念でした。
会場内は、半分より前の席がOSC代表者、後ろの席が一般の方と分かれており、今回は特に後ろの席からの質問・意見等が多かったように感じました。HFC側から明言された訳ではないですが、おそらく今後もこういったスタイルで開催されるのでは、と思われます。
ただ、なんといっても今回の会議の主眼は後援会への入会促進とPR依頼であるのは明白であり、私としても身内や知人にお願いするだけではなく、積極的に後援会会員の募集告知のお手伝いをしていこうという思いを強くした次第です。

(以上記事:ゆかとすさん)


独断と偏見によるWEBマスターの解説

上記の文章に少し付け足しです。紹介した記事の理解の助けになればと思います。

*1:春先に出版された、道内版経済雑誌に「コンサドーレ札幌8月倒産説」という記事が掲載された。この記事は、コンサドーレサポーターを大いに心配させたが、これをうけての説明と思われる。

*2:一昨年のスポンサーは10社前後。昨年は28社。コンサドーレのスポンサー収入は、総額面では伸び悩んではいるが、数に関しては着実に増えている。道内経済の冷え込みの中、高額スポンサーの確保は難しいが、少額ならということで、頑張ってスポンサーになってくれる企業がある。スポンサーとは違うが、コンサドーレが地元からサポートされていることを現すものとして出資企業(株主)の数の多さがある(200以上の株主がおり、これはJリーグのチームの中でも飛び抜けて多い)。一社当りの額は少ないかもしれないが、コンサドーレに、いかに多くの地元企業の願いが託されているかがわかる。

*3:後援会の説明を、HFCスタッフではなく、札幌市スポーツまちづくり推進室の人が行ったのは、後援会を主催しているのはHFCではなく、札幌市スポーツまちづくり推進室のため。

今年のHFCは、この後援会制度を大きく押している。今年のHFCは、収入の一部を後援会からの寄付金に依存する計画になっているため。それほど苦しいということもあるが、将来、ヨーロッパや南米で見られるようなソシオ制度(横浜FCのような)への進展も視野に入れていると思われる。

*4:昨年創設されたコンサドーレボランティアスタッフ(CVS)制度。最初の年は、ボランティアに参加してくれた人たちに、交通費が一律二千円支給された。この年の最初のCVSの説明会の時に、ボランティアの人たちから、「ボランティアで参加しているので交通費はいらない」、「経営が苦しいのだから少しでも経費減に貢献したい」などの意見が出た。HFCは、「来年から検討します」と説明していたが、これをうけての今年からの変更のようだ。それと、札幌市交通局がスポンサーになっているおかげもあるかもしれない。(ウィズユーカードは、札幌市交通局のプリペイドカード)

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