『二上英樹の観戦記』
この前、シーズンが始まったと思ったら、もう今日が最終日。あっと言う間のシーズンであった気がする。この日の札幌は、週間天気予報では、雨。この時期の雨は辛いなあ~~と思っていたものの、寒冷前線は早朝のうちに通過してくれたようで、昼過ぎからは青い空が広がった。それでも最高気温4度の状況では、とにかく寒い。厚着をしてスタジアムに向かった。
今日の相手は横浜フリューゲルス。スタジアムでは、横浜Fの合併回避の署名がサポーターの手によって行われ、青いリボンが配られていた。最終日とあって、前売りは1万枚以上はけたようで、この日の入場者数は15000人強。とりわけ、アウェイゴール裏席に人が多い。 最終日とあって、選手入場のときに、ビッグフラッグに加えて、ゴール裏から約6000本の赤紙テープが投げ込まれた。また、フリエには最終戦となるかもしれないので、マスコットのとびまる君が初めてアウェイゲームに登場。ドーレくんと一緒にドールズとダンスを踊っていた。また、試合に先立ち、フリエのDF薩川選手のJ150試合出場を祝して花束贈呈が行われた。
札幌の先発は以下の通り。今日は4-4-2のフォーメーション。DFは、左から村田、梶野、埜下、田渕の四人。大野は怪我か疲労がたまっているようで今日は休み。変わりに埜下がセンターバックの位置に。中盤は、古川、深川、棚田、マラドーナの四人。オフェンス陣は、吉原、関のツートップ。バルデス、黄川田の2選手がイエロー累積で今日は出場停止。それぞれの位置に、村田、関が入っている。なお、控えには、前節市原戦から復活したペレイラが入っている。出番はあるか。
- FW:関、吉原
- MF:古川、棚田、マラドーナ、深川
- DF:村田、梶野、埜下、田渕
- GK:ディド
対する横浜Fは、新聞などのマスコミ発表に従えば、3-5-2。でも実質は、レッシャクの置きみやげの3-4-3。GKは楢崎、DFは原田、薩川、佐藤、MFに山口、氏家、三浦、波戸、久保山、FWに吉田とレディアコフ。DFの佐藤尽は室蘭大谷高出身。厚別には、高校選手権決勝戦以来の登場。ボランチのサンパイオは怪我のためかベンチ入りもせず。ドリブラー永井は累積で出場停止?。でも、この日のフリューゲルス、ベンチ入りする選手以外の選手も全員札幌入りしていた。
試合開始、しばらくは、お互い様子見の状態。コンサドーレは中盤でパスを細かくつないで行く作戦のようで、その意図は見てて感じられた。しかしながらFWに入った関と吉原が同じようなタイプの選手の為か、ラストパスがうまくつながらない。とりわけ、いつものように最後に放り込むべきターゲットのバルデスの頭がないので、相手陣内まで行くと、かならずゴール前で混戦になるか、センタリングはたいていDFにはじきかえされてしまった。この日のコンサ、制空権が攻撃では取れなかったので、マラドーナは苦しそうでしたね。
ゲームが動いたのは、前半25分。コンサ左サイドから中に放り込まれたボールをレディアコフがスルー。コンサDFはニアサイドとレディアコフに付いていたため、反対側にいた吉田にフリーでボールがわたる。これを正面から、決められ、0-1。先制される。
スタンドが静かになりかけた35分。オーバーラップした田渕にフリーでボールが渡る。田渕これをシュート!!。が、ボールはポストの左にそれていく。そこに走り込んでいたのが、棚田。絶妙の速いパスになったボールを、微妙にコースを変えると、そのまま、フリエゴール左隅に付き刺さった。1-1の同点に追いついた。棚田3試合連続のゴール。
その後、吉原の惜しいシュートもあったが、得点に至らず。このまま前半終了。
後半開始、試合はいきなりフリエペースに。後半1分。コンサゴール前で田渕がクリアミス。ヘッドでクリアしようとしたボールがゴール前に詰めていた吉田の前へ。吉田これをゴール正面から押し込んだ。1-2、再び突き放される。
試合はこの後、流れが変わらなかったので、コンサベンチ先に動く。後半20分、関に変えて有馬投入。しかし、流れは変わらず、後半25分。コンサ右サイドを切れ込む三浦からゴール前の久保山へ。久保山に混戦の中を抜け出され、ディドと一対一。しっかりと決められ、1-3。さらに、後半30分。今度は、コンサ左サイドを波戸がドリブルでボール持ち込む。コンサゴール前にトップスピードで走り込むのは、レディアコフとマークに付いた埜下。と、レディアコフが急に止まって二、三歩バック。埜下これに気がつかず、レディアコフのマークを離してしまう。フリーになったレディアコフに、波戸から絶交のセンタリングが。ゴール正面から、どフリーのレディアコフにヘッドでたたき込まれてしまった。1-4。
完全なフリエペースに、コンサベンチ再び動く。後半35分。深川に代えてペレイラ投入。守備をまず固めて、立て直しをはかるのかと思いきや、ボランチは古川一人のままで、ペレイラは深川のいた攻撃的MFの位置にそのまま入った。盛んに前線に飛び出してチャンスメイクをはかるも追加点を奪えず。
後半40分には、フリエゴール前で得たFKで、トリックプレーを成功させ、楢崎と棚田が一対一。決まったか!と思ったが、シュートをふかしてしまい得点ならず。試合はフリエペースのまま終了した。この日の試合には、コンサ初の四連勝、ステージ勝ち越し、ホームゲーム勝ち越しなど、幾つかの節目の記録がかかっていたが、負けたことで来季以降に持ち越しとなった。また、これで2ndステージ10位で終了。年間順位は14位。J1参入決定戦順位ポイントは16位となった。
今日の試合、前半は試合になっていたが、後半は完全にフリエペース。バルデスがでていないためか、攻撃で制空権が取れない。くさびの役目をする選手がいないので、攻撃はきつそうでしたね。また、守備面では、大野がでていないためなのか、ラインディフェンスがいつもに比べると、少しおたおたしていた。サイドにボールがあると、DFがそのサイドによってしまって、逆サイドにフリーの選手がいる場面がよく見られた。フリエのフォーメーションが3-4-3の所為か、攻撃時も守備のときも人数が多い。その分、中盤の4人に相当の運動量を求めるのだろうが、この日のフリエ実によく機能していました。攻撃時には、前線の三人がトップに展開。これに二列目から飛び出しが有効に機能して、たびたびコンサをピンチにしてくれたし、こぼれ玉はほとんどフリエに拾われていましたね。一方、守備になると、戻りがものすごく速い。すぐに4人が戻るため、フリエゴール前には常に7人はいる。3-4-3は今日初めて見たけれど、システム的に見て3-4-3て面白いね。
もう一つは、フリエ選手の気迫が勝っていたということ。フリエの選手がボールを持つと、常にゴールへと向かっていた。実際、フリエの選手はほとんどバックパスをしていない。どの位置でボールを奪っても、とにかくゴールへゴールへとボールを運ぶ姿勢が感じられた。
この日でリーグ戦全日程が終了したことで、J1参入決定戦の組み合わせが決まった。コンサドーレは、11-22、26の二日間、J1残留をかけてヴィッセル神戸と戦う。コンサにとって、98年最大の正念場がやってくる。
(以上記事:二上英樹)
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