ここでは、コンサドーレの前半戦をデータから振り返ってみたいと思います。コンサドーレの戦い方を一言で言うと、『前半は強いが後半は弱い』。これはデーターに顕著に現れていて、時間帯別の得失点をまとめてみると良くわかります。
下のテーブルを見ていただければ、一目瞭然ですが、前半後半まんべんなく得点しているのに対し、失点は後半に集中しています。また、前半終了間際にも失点が多いのが特徴。前半は五分に戦っているものの、後半相手チームが攻勢に出ると、耐えきれずにずるずると失点。結局、前半リードしたりしても、そのリードを保てない。
ちなみに得点28点は、Jリーグ18チームのうち、12番目。一方、失点44は、14番目。これを見ると、成績も12~14位あたりにいてもいいような気がするが、実際は16位。どうもコンサドーレは勝負強さがないようである。実際、延長戦に入った6試合の成績は1勝5敗。PK戦は、コンサドーレが二年前、札幌に移転してきて以来、勝ったことがない。
前半 | 後半 | 延長 | 合計 | ||||||
0~15 | 15~30 | 30~45 | 0~15 | 15~30 | 30~45 | 0~15 | 15~30 | ||
得点 | 5 | 6 | 2 | 5 | 5 | 4 | 1 | 0 | 28 |
失点 | 4 | 2 | 9 | 8 | 11 | 8 | 2 | 0 | 44 |
下に、その他のデータもあげて見る。このデータを見ておもしろいのは、後半攻勢にでるのは、相手チームだけでなく、コンサもという点である。例えば、コンサドーレのシュート数、CK数、FK数、相手のGK数は、後半の方が多い。一方、相手チームも、シュート数、CK数は後半の方が多いので、後半の方が攻勢に出ていることがわかる。コンサドーレのGK数は、後半の方が少ない。でも相手チームのシュート数とかは後半の方が多いわけだから、相手チームのシュートの精度はコンサより高い?ということを意味するのだろうか。どっちにしろ、コンサも相手チームも、後半の方が攻撃のウェイトが高い。
おもしろいのは、相手チームのFK数が後半の方が少ない点で、これをどう解釈するかは難しい。コンサドーレがファールをしないクリーンなチームを目指しているのか?、いやむしろ、後半は、コンサドーレの選手の足が止まるのと、ボールを支配されて、ボールを持つ相手選手に寄せきれていないんじゃないかと思われる。ただ、このFK数が少ないというのは、たまたまかもしれないけれど。
コンサドーレ札幌 | 相手チーム | |||||
前半 | 後半 | 合計 | 前半 | 後半 | 合計 | |
得点 | 13 | 14 | 28 | 15 | 27 | 44 |
シュート数 | 70 | 96 | 175 | 93 | 129 | 250 |
GK数 | 115 | 107 | 245 | 59 | 74 | 143 |
CK数 | 33 | 40 | 77 | 48 | 50 | 108 |
FK数 | 180 | 202 | 401 | 243 | 164 | 446 |
コンサドーレの得点は、バルデス、吉原宏太の二人のFWがそれぞれ、13点、6点をあげており、コンサドーレの全得点28点のうち、2/3を占める。これに、MFでゲームメイクを担当しているマラドーナの4点を加えると、80%をこの三人が占めている。現在のコンサドーレのフォーメーションでは、バルデス、吉原宏太のツートップの底にマラドーナがいる三角形を形成する三人が攻撃のほとんどを担っている。また、バウテルも出場時間が少ないながら、2点と頑張っている。
コンサドーレの攻撃神の中でも、既にJでの経験のあるバルデス、マラドーナは、予想通りの活躍をしている。頑張っているのは、吉原宏太だろう。今年はここまで既に6得点。Jリーグに上がりながら、昨年までのJFLと同様のペースで点をあげている。ちまたでは、五輪代表の声も上がっているが、その力をアピールするには、もう少し点を取る必要があるだろう。2ndステージ10点をあげることができれば、その可能性は大きく前進する。それでも、今年の吉原は順調に(大きく)成長した。今年は、1stステージ17試合に途中交代などもあったが全試合出場をはたしている。コンサドーレの中で、全試合出場を果たしているのは、吉原とディドだけである(ディドは全試合時間出場)。怪我などと無縁なのも、良い選手の条件である。
2ndステージへの課題は、これ以外の中盤の選手の得点と(MF)、サイド攻撃を仕掛ける選手の得点であろう。上記三選手以外からの得点パターンが増えると、上記三人へのマークも緩くなるだろうから、さらに活躍してくれることが期待できる。
選手 | 得点 | シュート数 |
バルデス | 13 | 45 |
吉原宏太 | 6 | 32 |
マラドーナ | 4 | 25 |
バウテル | 2 | 12 |
太田貴光 | 1 | 4 |
渡辺卓 | 1 | 4 |
梶野智 | 1 | 2 |
最後に、戦術には関係ないが、観客動員数について考察してみよう。 コンサドーレの1stステージのホームゲームは8試合。のべ86529人。平均10816人の観客動員があった。この平均観客動員数は、Jリーグ全体で10位。全体に成績と観客動員数は相関しているので、11位の福岡同様健闘している。ただし、シーズン前のHFCの計画では、平均動員数は12000人と読んで、経営計画を立てている。今後、どれだけ伸ばせるかが注目される。
1stステージでは、厚別での試合は2試合しかなかった。その中でも、C大阪戦は17689人を動員し厚別の観客記録を更新した。2ndステージでは、ホームゲーム9試合が全て厚別で開催されることになっている。動員数の面では期待できるが、ホームゲームで早く勝利を見せてくれないと、ステージ中盤では、動員数が中休みする可能性もある。シーズン終盤は、入れ換え戦への生き残りもあり、盛り上がることが予想される。
コンサドーレの特徴は、ホームで強いことである。1stステージの試合では、残念ながら厚別で2連敗してしまったが、それぞれ、17689人(C大阪)、11103人(福岡)動員した。札幌開幕戦となったC大阪戦はさるものながら、下位チーム同志の対戦となった福岡戦でも、1万人以上の観客を動員したのはやはりすごい。コンサドーレがホームゲームで強いと言われているのは、もちろんこれらスタジアムに足を運んでくれるサポーターのおかげであることはいうまでもない。
順位 | チーム名 | 平均観客動員数 |
1 | 浦和レッズ | 23802 |
2 | 横浜マリノス | 20586 |
3 | 鹿島アントラーズ | 15211 |
4 | 横浜フリューゲルス | 14842 |
5 | 名古屋グランパスエイト | 14796 |
6 | ヴェルディ川崎 | 14687 |
7 | ジュビロ磐田 | 13382 |
8 | 清水エスパルス | 12046 |
9 | ベルマーレ平塚 | 11299 |
10 | コンサドーレ札幌 | 10816 |
11 | アヴィスパ福岡 | 10179 |
12 | セレッソ大阪 | 10006 |
13 | 柏レイソル | 9776 |
14 | ガンバ大阪 | 9458 |
15 | サンフレッチェ広島 | 9275 |
16 | ヴィッセル神戸 | 8825 |
17 | 京都パープルサンガ | 7247 |
18 | ジェフユナイテッド市原 | 5583 |
以上で、お話は終り。ちょっと時間がなかったので、おっつけ仕事のような感じになってしまいました。話が支離滅裂になってたりする所もありますが、そこんとこはご勘弁を。そんなわけで、フォーメーション図とかも、あまり用意できませんでした。全体に文字ばっかりで読みにくかったと思います。また、あまり、多くを書き込めませんでした。選手別、あるいはポジション別のフォーメーションの話なんかもしたかったんですが。
2ndステージのコンサドーレの戦いは、Jリーグ1部残留決定戦を控えて、熾烈を究めることが予想されます。怪我人も多く抱え、26人しかいないコンサドーレは、満身創痍、まさに総力戦です。コンサドーレのためにできることは厚別をコンササポーターで満杯にする(アウェイのスタジアムもコンササポーターで一杯にしたいですが)。結局は、これだけしかありません。最後になりましたが、スポーツは何が起こるかわかりません。試合終了の笛が鳴る、その時まで、頑張って応援しましょう。