さて、昨年暮に始まった「サポーターによる活動の紹介」シリーズ。今回は最近種類が多くなったコンサドーレの募金活動について紹介してみましょう。HFCがやっている募金活動が、厳密に言うとサポーターによる活動の紹介になるのかな、といった感もありますが、募金をするのはサポーターだから、よしということで。全部で5話に分けて紹介してみたいと思います。
一話目は『We are Consadole!!キャンペーン』を取り上げます。別名、カンバッジキャンペーンと呼ばれているこの募金活動は、一個500円のカンバッジを買ってもらって、それをコンサドーレの運営資金に当てようというもの。北海道フットボールクラブが始めたこの募金活動は、苦しい台所事情のコンサドーレ札幌を支援するために、97年の12/19から始まった。一番最初に始まった募金活動と言っていい。カンバッジは円形の金属製、白地で中央にドーレくんがレイアウトされている。このキャンペーンには、購入と同時に、コンサ支援の署名もしてもらい、市民や道民の盛り上がりを対外的に示すという意味合いもある。
支援の輪キャンペーン「We are Consadole」を始めるにあたって以下のような趣意書が配られた。
支援の輪キャンペーン
「We are Consadole」趣意書31万人の道民、市民の皆さんの署名が契機となって誕生した「コンサドーレ札幌」、 皆さまの熱いご声援を受けてJリーグに昇格することができました。 来季も地域に根ざしたチームとして、「北海道」そして「さっぽろ」を背にがんばっ てまいります。しかし、チーム強化を含め、運営面では資金的に厳しいものがございま す。北海道フットボールクラブでは、皆様の一層のご支援を頂戴いたしたく、カンバッ ジを作成いたしました。是非、支援の証として1個500円にてお求めいただき、ご署名く ださいますようお願いいたします。
(株)北海道フットボールクラブ
代表取締役会長 今 井 春 雄
代表取締役副会長 石 水 勲
代表取締役社長 金 井 英 明
私たちはコンサドーレ札幌を応援します。
(キャンペーン期間 平成9年12月19日~平成10年2月末日)
バッジが発売されるのは、以下の二箇所。発売箇所は今後増やしていく予定。98/2/26には、赤地にドーレくんの新しいデザインのも登場。現在、白地と赤地の2種類のバッジがある(下の写真は白地のもの)。(今後、種類が増えるという噂もある)。ちなみに、これまでに10万個以上のバッジが売れている。
- コンサグッズショップ内ファンクラブ事務局
- (中央区大通西2、TEL:011-205-2725)
- サッポロファクトリー三条館1階のインフォメーションコーナー
- (中央区北3東4、TEL:011-207-5000)
このカンバッジ購入は、郵送でも行える。申込方法は以下のとおり。
- 住所、氏名、電話番号を明記した紙と代金(送料不要)を、現金書留で以下の住所に郵送する。カンバッジは1個500円。
- 〒060
- 札幌市中央区大通西1-16-14
- 北海道フットボールクラブ「カンバッジ」係
郵送申込みの場合、コンサグッズショップやサッポロファクトリーで行われているようなコンサ支援の署名は、現金書留の封筒がそれに代用されるようです。個人で購入する場合は、上記の手順で良いですが、団体での申込みや大勢で購入する場合は、その旨連絡すれば、署名用の用紙も一緒に送ってくれるようです。カンバッジの郵送販売を含む、このキャンペーンへのお問い合わせは、以下のところまで。
- 北海道フットボールクラブ
- カンバッジ係
- TEL:011-218-3999
このキャンペーンには、募金活動という目的の他に、実はもう一つ大きな目的が含まれていました。ずばりそれは、議会対策である。このキャンペーンが始まった当時、コンサドーレ札幌の運営会社である北海道フットボールクラブは、経営危機にひんしていた(大きな赤字を抱えている状況は現在も変わらないが)。その時点での最大の関心事は当面の運転資金をどうするかであり、不況で民間からの増資やスポンサー料の大幅な増収が見込めない状況では、札幌市や北海道の支援を期待するしか無かった(すぐ、官に頼る体質はあまり良いものではないのだが)。ところが、そこで問題になるのが、予算決定をつかさどる議会。
市長と、道知事はなんとか、コンサ支援を表明したものの、議会には反対派議員が多くいた。特定の企業体に、税金を投入するのはけしからんというわけだ。この論理、わからないわけではない。バブル以降の不況は、北海道に厳しい。メインバンクの拓銀は倒産するし、大きな企業が軒並み倒れている。このような状態では、反対する議員がでてきても仕方が無いところ。でも、この議員たちがよりどころとしたのは、選挙民の人達もきっと反対に違いないという考えだ。
ということは、市民、道民レベルで、コンサを救えという声が高くなれば、議員の人たちも納得してくれるという論理になる。そこで考えられたのが、署名活動であり、このキャンペーンである。単なる署名だけでなく、一個500円のお金を出してまで、コンサドーレを支援してくれる人達が多くいれば、デモンストレーション効果は絶大なものとなる。上に示した支援趣意書の文面も、お金を集めると言うよりは、より多くの支援をお願いしますという感が強い文面となっている。また文面では、このキャンペーンの期限が、2月末日までとなっているが、これは予算編成の時期が二月末だからである。それまでに、多くの支援を集めたいという意図が含まれていた。
実際、このキャンペーンが始まって、1週間で1万個のバッジがはけ、市民レベルの盛り上がりはすごいと、新聞などで紹介された。さらに市民だけでなく、青年会議所、商工会等、各種団体が支援を表明。結局最後には、最後まで抵抗していた道自民党も、このままでは、自分達だけが悪者になってしまうということで、反対を取り消した。一応の効果を示したわけである。
当初の目的を果たしたこのキャンペーンだが、好評につき、2月以降も引き続き行われることになった。今後、バッジの種類も増やすといううわさも聞く。石水副社長は、100万個売るのが目標、と言っていたりするが、今後、本気で目指すようだ。
コンサドーレの支援の証しに、みなさん、お一つコンサバッジはいかがですか。