1997/12/27に開催された第1回サポーター集会の議事録です。議事録は集会主催者によってまとめられ、札幌市大通りにあるコンサグッズショップに置いてあり、常時見ることが来ます。このページは主催者の許可の元、その議事録をウエッブ用に起こしたものです。議事録と同じ内容のものを掲載していますが、もし違いがある場合は、グッズショップにある議事録の方が正しいです。
[解説]
この一番最初のサポーター集会は、札幌市の教育文化会館にてコンササポーター主催で開かれました。コンサドーレは、この年、JFL優勝とJ昇格を決めましたが、クラブの厳しい経営状況から、厳冬更改、丸井今井会長の本業での解任など、暗い話題の多いオフになっていました。この様な状況の時こそ、サポーターがクラブを支えていかなければいけないのでは、との思いでサポーター有志が主催して今回の集会がおこなわれました。
会を呼びかけたのは柳沼さん(OUR PRIDE)、小西さん(N-LIGHTS)、坂田さん(ALWAYS)、西田さん(ML-CLUB)(カッコ内は各人の所属サポーターズクラブ名)の四人。コンサドーレが好きなら誰でも参加できる集会には、100名を越えるコンササポーターが集まりました。また、HFCからも石水副会長、鈴木事業本部長、中川広報、高橋営業部マネージャーの四人が、参加されました。
当日は、パネルディスカッションの様な感じでHFCの四方が壇上に並び、柳沼さんの司会進行で、「HFCの経営環境について」、「サポーターのクラブ支援について」、「フラッグプロジェクトについて」、「来季の応援について」、「サポーターネットワークについて」などのテーマについて話合いが持たれた。それぞれの議題の途中には質疑応答の時間が取られ、参加者は常日頃疑問に思っていることなどをだしあった。
サポーターは、HFCの経営の状態や、展開中だったカンバッジ署名キャンペーンの詳細、選手の補強や更改情報など、マスコミなどを介して上っ面の情報しか手に入らず、やきもきしていただけに、HFCの方から直接説明を受けることができて、有意義な時間を過ごした。また、後半は来季にむけてのサポーターの応援などの話題をメインに、ビッグフラッグプロジェクト、サポーター応援ソング、応援スタイルについてなどについて説明や話合いが持たれ、会は盛況のうちに終了した。
この集会が開催されるまでは、サポーターが一堂に会する会と言えば、HFCが主催するOSC(オフィシャルサポーターズクラブ)代表者会議だけであった。この会義は、HFC主催のものでサポーターの意見や考えを聞く有意義な会議であったが、最近ではOSC自体の数が増えたたたため討論などがしにくくなったのと、OSCに所属していないサポーターには情報が伝わらないなど、の問題点も指摘されていた。このような状況を踏まえて、このサポーター集会のような誰でも参加できる集会が開かれた経緯がある。そのため、この集会はサポーターが主催して開いているものであり、HFCはあくまでゲストの位置づけとなる。
第1回サポーター集会議事録(1997/12/27開催)
目次
- 主催者より
- [第一部]
- HFCの経営環境
- カンバッチ・署名キャンペーンの位置付け
- HFCの目指すクラブ
- サポーターの支援について(サポーターからの意見・提案)
- HFCへの質問と回答
- HFCからサポーターへの依頼事項
- [第二部]
- フラッグプロジェクト(FP)について(主催者より説明)
- 来期の応援について
主催者より
私たちが長い問待ち望んだJリーグ。その夢を実現してくれた私たちのホームチーム、コンサドーレ札幌。ホームチームを持つことの喜ぴと誇りをサポーターの皆さんは十分感じていることと思います。しかし、チームがすばらしい結果を残してくれた一方で、クラプ経営は引き続き厳しい状況が続いています。このような苦しい時こそコンサドーレ札親ファミリーの一員でもある私たちサポーターが有形無形にクラプを支えていかなければと考え、自主的に臨時集会を開催することを企画しました。
当日は急な集会にもかかわらず約l20人ものサポーターの他、フロントからも出席いただき内容の濃い集会とすることができました。参加していただいた皆様は心から感謝いたします。
集会の内容については一人でも多くの方に知って貰うために、議事録を作りコンドーレショップに備え付けることにいたしました。今回の集会で少しでも皆さんクラプに対する理解と支援の輪が広がれば幸いです。
(集会主催者代表 0SC OUR PRIDE 柳沼 聡)
(株)北海道フットボールクラプ(HFC)よりご出席の皆様(敬称略)
- 代表取締役副会長 石水 勲
- 取締役事業本部長 鈴木 善一
- 広 報 室 長 中川 公彦
- 営業部マネージャー 高橋 道裕
臨時集会主催者
- 柳沼 聡(0UR PRIDE)
- 小西 淳一(N★LIGHTS)
- 坂田 義徳(ALWAYS)
- 西田 健生(ML-CLUB)
- ※譲事録に関する問い合わせ先 柳沼 聡
[第一部]
HFCの経営環境
(1)97年見込み(単位:億円)
計画 | 見込 | |||
収入 | 入場料 | 2.0 | 4.0 | |
スポンサー | 6.0 | 4.0 | ||
その他 | 2.0 | 1.3 | グッズ販売etc | |
A合計 | 10.0 | 7.8 | ||
費用 | 人件費 | 10.0 | 10.5 | |
維持費 | 2.5 | 2.5 | 合宿・移動etc | |
競技場等 | 2.0 | 2.5 | ||
会社経費 | 3.5 | 2.8 | 事務管理etc | |
B合計 | 18.0 | 17.8 | ||
A-B | ▲8.0 | ▲10.0 |
- 当初の収支計画は年問▲8億円。しかしスポンサー収入が計画比▲2億円となり年間収支は▲10億円となる。
- 入場科収入は平均1.0万人により0.5億円の増加。
- 費用はほぽ計画どおり。
(2)98年計画(単位:億円)
97見込 | 98計画 | |||
収入 | 入場料 | 2.5 | 4.5 | 料金単価引上 |
スポンサー | 4.0 | 6.6 | ||
J分配金 | - | 2.0 | ||
その他 | 1.3 | 1.9 | ||
A合計 | 7.8 | 15.0 | ||
費用B合計 | 17.8 | 17.0 | 前期以下据置 | |
A-B | ▲10.0 | ▲2.0 |
- 入場料はJ並み引上げと厚別競技場での平均入場者を1.2万人にて算定。(自由席の引上げはなるべく押さえる)
- スポンサーは本州企業、消費者金融会社も視野に入れて交渉する。尚、現スポンサーには石水副会長、金井社長自ら継続支援をお願いしている。
- 費用は人件費を削賞。厳しい経営を選手も理解してくれたと思っている。
- J昇格初年度は▲2億円の赤字見込み。
(3)中期計画(単位:億円)
計画 | 実績 | 累積赤字 | 資本金 | |||||
収益 | 費用 | 差引 | 収益 | 費用 | 差引 | |||
1996 | - | - | - | 4.7 | 12.7 | ▲8.0 | ▲8.0 | 15.0 |
1997 | 10.0 | 18.0 | ▲8.0 | 7.8 | 17.8 | ▲10.0 | ▲18.0 | 21.8 |
1998 | 15.0 | 17.0 | ▲2.0 | ▲20.0 | ||||
1999 | ▲1.0 | ▲21.0 | ||||||
2000 | ±0.0 | ▲21.0 | ||||||
2001 | +1.0 | ▲20.0 |
- Jl部残留を条件とした計画(J2部のケースは不明)
- 99年は年間収文を▲1億円未満に抑える。
- 2000年に収支を±0
- 2001年には1億円の黒字を計上し、以後徐々に繰損を解消していきたい。
- 2001年以降は札親ドーム(収容人員4.3万人)での試合を平均1.5万人で計算。
- 今期以降の経営も引き続き厳しい状況なので年間の必要資金については期間5年程度の長期借入れを検討し、資金繰りの安定を図りたい。
カンバッチ・署名キャンペーンの位置付け
(1)企画時期
- キャンペーンの企画は以前からあった。今井会長に関しての記者会見の場でキャンペーンの報道もなされたが、決してその時の思いつきではない。
(2)目的
- 厳しい経営状況が続いており、自冶体(道・市)への支援働きかけのためには是非とも道民・札幌市民からの支持が必要であり、そのために署名キャンペーンを実施することとした。
- 500円バッチは、署名だけでなくパッチも購入しているという事実をアピールすることで署名の持つ力も大きくなると判断した。
- キャンペーンにより道民・市民の皆さんの関心がさらに深まり市民球団に一層近付くものと考えている。
(3)キャンペーン期間と目標
- 年明けの議会開催に合わせて今回のキャンペーンは2月に終了するが、今後も継続していくつもり。今回の目標は5万個、最終的には100万個を目指す。クラプとして今最も力を入れているので是非とも皆さんのご協力をお願いしたい。
HFCの目指すクラブ
(1)Jリーグの理念を基本としたクラプを目指している。 (地域に密看したスポーツクラプ)
(2)札幌市だけではなく北海道全体から応援されるクラプにしていきたい。
サポーターの支援について(サポーターからの意見・提案)
(1)キャンペーンの推進について
- カンバッチ・署名キャンペーンをサポーター一人一人が家庭、職場、学校で広めるようにする。(ただし、バッチの在庫は1月10日以降となるので注意)
(2)98年シーズンに向けてサポーターができること
- クラプの経費削滅のため
- スタジアムでのチケット切り(ポランティア)
- スタジアムでの清掃 ( 〃 )
- クラプの経営安定のため
- シーズンチケットの購入(クラプは厚別と室蘭のシーズンチケットを検討中)
- ファンクラブ入会(今年より法人は無し、個人は従来と基本的に同じ)
- その他
- 行きつけの店にポスターをはって貰う(関心を持って貰う)
- 学校祭、文化祭でコンサドーレの展示( 〃 )
- 自分の回りの人をとにかくさそい一人でも多くの人をスタジアムヘ
- 慰安旅行に試合観戦をセット(国立、室蘭)
(3)HFCへの提案
- 道内の自治体に支援キャラバンを実施しては
- ファンクラプで競技場に持って行きたくなる様なオリジナル旗を配る(招待券が無くても、競技場に行きたくなる様な企画があればファンクラプに入る人も増える)
※ポランティアについてはHFC側でも要請の可否についての検討が必要であり、次回以降のサポーター集会で引き続き討議していきます。また、(1)(2)のその他の項目についてはサポーター各自で行動して行き、必要に応じてお互いの情報交換をして協力していきたいと思います。
HFCへの質問と回答
- Q:5万円スポンサーについて
- A:一社5万円のスポンサー科でサポートシップ・スポンサーとしてマークやステ一トメントを粗品に利用したり、店舗に掲示できるようにしたもの
- Q:昨年まで旭川にあったショップコーナーは
- A:旭川をなくして今年釧路に一時期設置した。Jリーグの規定で準会員の場合、店舗は3店舗しか出せず今年釧路で試合があったため移転した。尚、正会員は5店舗までOK。
- Q:ファンクラプ会誌は
- A:98年より年6回発行の予定。尚、今回よりNicosカード付きファンクラプカードとなるが従来の形式もある。Nicosを利用すればクラプに一部還元となる
- Q:回数券形式の入場券導入は
- A:人気カードの際に厚別のキャパをオーバーして前売購入者が入れなくなる恐れがあるため導入は考えていない。(消防法上の間題もある)
- Q:家族向け割安券(ファミリーパック)導入は
- A:チケットの発券システム上の制約がある。ファンクラプ事務局扱いにできるかなど検討しているところ。
- Q:シーズンチケットの販売は
- A:席種・料金体系は調整中。1月中旬発送予定のファンクラプ開放にてお知らせする予定。厚別SS指定席で4~5万円。
HFCからサポーターへの依頼事項
(1)重ねてカンバッチ・署名キャンペーンの協力をお願いしたい。
(2)新しくできるポスターの貼り出しの協力をお願いしたい。
※ポスター貼り出しの時期、方法は未定ながら早急に詰めたいと思います。
[第二部]
フラッグプロジェクト(FP)について(主催者より説明)
(1)大応援旗作成の趣旨説明
- 98年からJリーグで戦うコンサドーレ札親のホームスタジアムで、選手の入場時にビッグフラッグを登場させスタジアム全体のサポーターが今まで以上に一体となって力強い応援を展開することを目的としています。
- Jの他チームのビッグフラッグはクラプやスポンサーが資金を出していますが、市民球団としての私たちコンサドーレ札親では今年の選手の頑張りにお返しする意味からも、まずサポーターの力で始めることにしました。
- 一口500円とすることで小・中学生でも支援参加できるようにしています。スタジアムやデレビに映ったビッグフラッグを見てサポーターの皆さんが「私たちの旗だ」と誇りに思って貰えればと考えています。
- 支援していただいた方には旗の余白にメッセージスペースを作り、思い思いのメッセージを記入してもらいます。
(2)現状報告と協力の依頼
- 26日までで約70万円(目標300万円)と厳しい状況。3月開幕に合わせるためには2月には業者に発注しなければならないので2月中旬には目途を立てたいと思っています。
- 1~2月にはコンサドーレショップでの募金箱設置を予定しています。 (1/11,18,25,2/8,22いずれも日曜日のPM1~6時)
- フラッグの基本デザインはほぼ決定。中央部にエンプレムを配して左右を赤黒とし、中央部は分割してアウェーの試合にも持って行けるようにしました。
- Q:3分割ファスナーの耐久性は? 3枚のままでいいのでは?
- A:ファスナーは重量級コイルファスナーの使用で耐久性に間題なしとYKKに確認済み。また、費用は2~3万円で済む予定であり導入することにしました。
来期の応援について
(1)オリジナルソング(主催者側より説明)
サポーターの間ではオリジナルの歌やコールがほしいとの意見が多くありますが今、次の4曲がオリジナルソングとしての動きがありますので紹介します。
- :「北の風になれ~コンサドーレ応援歌」(作詞・作曲 福沢恵介、2月発売)
- :「虹と雪のバラード」(札親オリンッピックの曲の替え歌)
- :ロッキー和田さん作曲予定
- :松山千春さんに作曲依頼予定
※いろんな歌ができることは素晴らしいことです。この中から選定するのでは無く、いろんな場面で歌えればいいと思います。シーズンが始まってからも敵やコールについては引き続き皆さんからのアイデアをお待ちしています。次回以降の集会での披露も歓迎です。
(2)ゴール裏とバック・メインスタンド(質問形式)
- Q:太鼓を増やせないか?
- A:(主催者)ゴール裏では応援のメインは声と拍手との考え。また、今は試合の流れに合わせて太鼓を叩いているので合わせるのが難しくなる面もある。
- A:(HFC)厚別競技場は原則、太鼓・鳴り物禁止となっている。ただ、今のところ近隣住民からの苦情は無く、応援も肉声、メガホンの音の方が大きいので公園管理当局からの規制はきていない。しかし、太鼓が増えて肉声を上回る音になると問題となる可能性もある。
- Q:バックスタンドからコールしているのにゴール裏がコールしない時があるが?
- A:(ゴール裏リーダー)相手のセットプレーの時、GKディドが選手に指示を与えるのでその指示が聞こえるように指示が終わるまでコールを控えている。また、選手に落ち着かせた方がいいと判断した時もコールを控えることがある。
※厚別競技場では浦和、鹿島に優るとも劣らない応援を繰り広げています。それはゴール裏だけでなく、メインやバックスタンドのサポーターが自ら声を出しメガホンや手を叩いて応援に参加しているからです。ナビスコ杯で鹿島のジョルジーニョが厚別での試合後、「日本ではじめてアウェーを経験した」とコメントを残しました。私たち札親はホームチームの応援という形でJチャンピオンチームに対しアウェーと思わせるほどのプレッシャーを与えることができたのです。このコメントはコンサドーレ札幌サポーターの勲章です。