この日の夕方、北海道フットボールクラブ代表取締役会長の今井春雄氏が、本業の丸井今井の社長を解任された。同日夕刻行われた、取締役会で緊急動議がだされ、取締役全員一致で退任が決定した。丸井今井は、道内では丸井さんと愛称で呼ばれる、北海道最大手の老舗デパート(本社・札幌)。1872年の創業で、従業員約2100人。札幌本店のほか、道内に小樽、函館、旭川、室蘭、苫小牧、釧路に支店がある。札幌市大通のコンサグッズショップも丸井今井が手掛けている。札幌市では、この解任劇に号外がだされ、拓銀破綻につづく、衝撃的なニュースが街を駆け巡った。
丸井今井は、HFCの大口株主の一つ。創立時より今井一族で経営が行われてきたが、メインバンクの北海道拓殖銀行の破綻、今井氏が押し進めていた多角経営、積極的な設備投資が裏目に出て、グループ会社全体でかなりの債務を抱えてしまっている。新たに融資をお願いした道内の銀行も、このような経営方針を変更しない限り融資は無理と断ったという話も噂では聞く。
今井氏は、HFC設立に創立時より参加し、資金集めに尽力。コンサドーレ札幌を経済面で支え続けた。北海道経済界への影響力の大きい同氏が、本業のデパート経営から退いたことで、影響力の低下は避けられず、今後HFCの資金集めは苦しくなることが予想される。
HFCは、今後も丸井今井からの出資は続けて欲しいとコメントしたが、丸井今井の新社長は、この件についてコメントしていない。また、今回の解任劇を受けて、HFCは、17日、18日の緊急取締役会開催が決まり、また、18日に予定されていた選手との契約公開交渉は延期されることになった。経営トップの方の出来事だけに、コンササポーターは、しばし静観するしかなさそうである。