コンサドーレが札幌に来て2年。ついに待ちに待った瞬間がやってきた。この日、JFL第28節厚別競技場での大分戦に勝利した札幌は、JFL優勝とJ昇格を同時に決めた。
マジックが1となって自力で決まるとあって、札幌のホーム厚別競技場には、歴史的一瞬を見ようと大勢のサポーターが駆けつけ、平日のナイターながらあふれんばかりの人でスタンドは満員となった。大勢のサポーターの後押しを受けて、札幌は大分に快勝。二試合を残し、J昇格とJFL優勝を決めた。試合終了の笛が鳴ると共に、スタジアムは大歓声に包まれた。観客はみな総立ちになり、歓びをグラウンドの選手やサポーターとともに分かち合った。
今季はシーズン開幕から上位をキープし続け、第11節からは1位の座を一度も譲ることなく、優勝を決めた。結果だけを見れば、圧倒的なチーム力を持って、勝ち進んできたように見えるが、実際はそうではない。度々のピンチや劣勢を、ある時は選手の力で、またある時はベンチの力で、そしてある時はサポーターの力で、跳ね返し、蹴散らし、接戦をものにし、地道な積み重ねがこの日の歓喜のときにつながった。札幌にプロサッカーチームを呼ぼうという運動が、具体化したのが二年前。関係者の方々の歓びもひとしおであろう。
来季はJリーグである。先輩の洗礼は、既にナビスコで経験した。99年度からのJ二部制実施に伴い、来季は一部残留をかけての厳しい戦いが展開される。解決すべき問題はまだまだあるが、今日は、この勝利を素直に喜ぼう。そして、来季のコンサドーレの活躍に夢をはせ、より一層の応援を誓おうではないか。