『二上英樹の観戦記』
本州の方では台風来襲だとか、札幌ではそんなもの関係なし。それでも、天気は、朝から雲が低く立ち込める曇天模様。雨だけは降るなと願いつつ競技場に向かう。競技場に着いたのは、試合開始直前、スタンドに上がったとたんキックオフ。平日の試合は、定時に仕事を終わらせなければならないんで、結構大変。いつもギリギリになってしまう。
最近のコンサ人気はすごい。今日も入場者数は、10229人。おかげで、大好きなバックスタンドの席はぎゅぎゅう。今年から自由席になったので、早めに行かないと席が無い(FAQのほうの記事も訂正する必要があるなあ)。バックスタンドはメインと違ってベンチシートなんで、どうしても少なめに人が座ってしまう(例えば10人がけに8人とか、隣の人とちょっとづつ隙間ができるんで)。ここいらの問題はおいおい解決しなきゃ行けないんじゃないかと思う(to北海道FCさん)。
今日は、ちょっと新しいことを発見。入場するときもらうMatch Day Programがパワーアップしていた。これまでA4版1枚で2ページのものだったのが、A4版で4ページのものになっていた。ただとはいえ、これくらいはないとね(やるな北海道FC)。ちょっと広告も増えていたのは愛敬か(次は中身のボリュームアップかな)。
さて、前置きはこれくらいにして、試合の方はというと先発は以下の通り。
- FW:山橋、バルデス
- MF:村田、マラドーナ、太田、後藤、田渕
- DF:中吉、ペレイラ、渡辺
- GK:ディド
先発はいつもの通りで3-5-2フォーメーション。控えはいつもとちょっと選手が違う5人で、吉原、鳥居塚、黄川田、冨樫、赤池。なかでも注目は黄川田。今年入団のルーキーだが、今日登録されたポジションはMF。FWじゃなかったっけ、と思ったあなた、その通り。ナビスコや水戸戦ではFWとして出場していました。ところが、三週間ほど前に村田の控えとして左WBにコンバート。村田の控えはいなかっただけに、その攻撃力を買われてのコンバートの様です。本人曰く「超攻撃的WBを目指す」。そしてもう一人は、赤池。いつも控えに入っていた森がちょっと足を痛めたため、この日は赤池が控えに入りました。この二人の出場があるかどうかも今日の見どころ。
対する、山形はアンジェロ、マルキーニョ、シジクレイを軸にしたフォーメーション。前節川崎を延長まで苦しめた攻撃陣は侮れない。
あの川崎を苦しめた山形は、どんな感じだろうと様子見しながら試合が進むかと思われたが、いきなり札幌ペース。試合開始から山形陣内に攻め込みます。前半10分。右サイドで山橋が倒されFKをもらう。蹴るのはマラドーナ。マラドーナの蹴ったボールはDFに頭でクリアされるも、田渕の前へ、田淵はこれをダイレクトにゴール前に低いボールでほうり込む。きれいにバックスの間を抜けて前線いたバルデスの足もとへ。GKを抜いて、ゴール右へシュート。先制点をゲット。
続いて22分ごろ。左サイドのスローインから。投げるのは村田。受けたマラドーナは、ライン際を駆け上がる村田にフィード。村田そのまま、ゴールライン際まで持ち込み、中へセンタリング。これが、バルデスの頭にどんぴしゃり。たたきつけたボールはゴールネットに突きささります。これで、2-0。今日のコンサドーレは調子がいいぞ。 と思ったのもつかのま。ここから、山形ペースになっていきます。コンサドーレは2点とって安心。山形は攻撃しなきゃ、と思ったかどうかは知らないけれど、山形がコンサゴール前に迫るシーンが多くなってきます。山形は決して守りをがちがち固めるわけでなく、むしろFWが3人になって攻撃的布陣で分厚い攻撃をしかけてきます。今年新たに入ったマルキーニョがきいているようです。コンサ側のフィールドでのプレーが続きます。コンサドーレは何回か危ない場面はあったものの、きっちりと抑え、このまま、前半終了。
後半開始から、コンサも攻撃を仕掛けます。前半2点とったものの、その後は山形に押し込まれ、フェルナンデス監督の雷が落ちたかどうかは知らないが、札幌ペースで試合が進みます。後半5分。山形ゴール前で、ボールを動かしていたコンサ。ボールをペナルティエリアの外あたりでもらったマラドーナが、目の前にいる2人のDFの右側を巻くような形の技ありのチョップキック(ループシュート)。キーパー動けず、芸術的なシュートにコンササポーターは大喜び。三点目を取って、試合は完全にコンサペース。10分くらいにはバルデスの惜しいミドルシュート。20分くらいには、バルデスハットトリックかと思われたヘティングシュートも、地面にたたきつけすぎてゴールバーを超えてしまうというアンラッキーなシーン。
後半30分山橋に変えて吉原投入。さらに、村田に変えて黄川田投入。黄川田を見るの始めてだったんで、興味津々。サイドでボールをもったら上がる上がる。FW出身だけあって、ボールキープ力は抜群。相手DFを数人抜くことも数回。こりゃおもしろい選手がでてきた、っていう感じ。ディフェンスがまだ村田には及ばないなとは思うものの、攻撃力は村田より明らかに上。村田もうかうかしてられなくなってしまうんじゃなかろうか。一方、吉原はいまいち。今日は結果ださないとまずいんじゃないかと思うものの、マラドーナも前線に張ってしまって、コンサドーレは3トップの状態。コンサドーレの悪い所は、こうなったときにパスを出せる選手がいなくなってしまうところ。両サイドの村田や田渕が、ライン際をかけあがるだけでなく中にも切れ込んで、スルーパスなんか出せるようになれば、コンサドーレの攻撃は多彩になるんですけどね。おかげで吉原は活躍できず。一度、きれいに抜け出せたものの、中央にいたバルデスへマイナスのパス。直接シュートを打てばいいのに、と思ったのは僕だけじゃないでしょう。バルデスのハットトリックがかかっていたとは言え、吉原にはそんな余裕かましている状態じゃないのに。積極性がちょっと足りないんじゃないと、おもったのでした。
それでも、三点目とってからのコンサドーレの攻撃は多彩で、いろいろな攻撃を見せてくれてました。両サイドの村田や田渕はオーバーラップを頻繁に見せてくれたし、リベロのペレイラも上がる上がる。相手ゴール前で、中吉とペレイラがワンツーをしたシーンは、ちょっと驚きでした。ペレイラのオーバーラップはいつものことですが、中吉なんかも上がるようになったんですね。いろんな選手がとっかえひっかえ上がるのは、相手DFにとっては脅威なので、コンサにとってはいい傾向ですね。もちろん本業のDFをきっちりやった上でのことですが。
一方、気になったのは、日本人FWの元気のなさ。いや、元気はあるんですが、結果(得点)にここんとこ結びついていないんですね。今日も、得点を決めたのはバルデスとマラドーナ。たしかにこの2人はエースではあるけれど、ここまで偏るのもどうかと思います。この2人には、もっと積極性が欲しいですね。とりわけ吉原には、この感が強いですね。
試合の方は、このまま3-0で終了。今日は、結構おもしろい試合でした。前節川崎を苦しめた山形相手に90分勝ちで快勝した事も意義のあることです。このあと、続くデンソー、甲府にも快勝して、前半戦を終了したいものです。
(以上記事:二上英樹)