『徳島霧雨会戦』
霧雨煙る徳島。山々に囲まれ、「ヤッホー!」と叫べば そのままこだまが返ってきそうな環境での対ヴォルティス戦。 札幌が1人退場になったのに勝った、というデータだけ見ると 「大殊勲だ」とお思いの方々がいらっしゃるかもしれません。 が実態は、アルシンドが抜けてから皆のびのびとプレイをして、 パスが実にスイスイ通ってました。で、10人になってから2点入れたわけだし。 じゃあアルシンドは何のためにいたの?という理屈になるわけで、 一層彼の立場が危うくなる因果な一戦でした。
ま、いくら削られたとはいえ、蹴り入れたんじゃねえ・・・。 360度全方位からブーイングのシャワーを浴びてましたよ。 ハーフタイムの際、顔が望月三起也似の徳島チームスタッフが 「札幌のコーチ(誰?)から聞いたハナシ」 としてボクに教えてくれたのですが(よって信憑性はチト低いんですが)、 「ある日の練習のとき、アルシンドが休憩してる間に 他の選手達がパス出しの練習をやってたらしいよ」 とのこと。アルシンド抜きで練習とは、すでにシカト状態だったのか?
さて、そんな札幌の、特に前半、浅沼がもう大車輪の活躍ぶり。 おいおいキミは今日FWなのかい?ってほどに最前線で暴れまくり。 そんな浅沼に引っ張られるように後藤義一も 今季かつてないほどの前方のポジショニング。相変わらずシュートまで 結びつく回数が少ないながらも、支配率は札幌リードでした。 後半になるとさすがに浅沼が後ろに下がってひと休み、 後藤義一もオテーロと交代しましたが、代わりに今度はキムと加藤が 「ちょっと待ちな、前線は俺らの職場だぜ」と本領発揮。 点にはならなかったものの、キムの中央突破ドリブルなんざ、 体にバリアでも張ってるのか?と目を凝らすほどのDFを寄せ付けない強さ。 加藤も、オテーロが左サイドスペースに放ったパスを徳島DFと競り合い、 絶対負けないぜと気迫充分。むざむざボールを奪われる場面はなく、 ギリギリのところまでDFをビクビクさせるプレイぶりでした。
ところで双方の点の入れ方なんですが。 まず徳島。なーんとなく関口に渡ったボールに 富樫、村田(後藤静臣かも?)がルーズになっちゃって全然詰めず、 あれあれー、という間に白井と1対1。まんまとかわされてゴール。 なんともブザマな、「札幌らしい」と形容される間抜けぶり。 と嘆いてたら、富樫がピッチの外に出て、スパイクピンを取り替えてやんの。 富樫、このバカタレが!スパイクくらい試合前にちゃんとしとけ! 何で試合途中まで大事な足回りのことを放っておく? そういえば札幌のDF陣、またも渡辺が悪かったです。 なぜ彼のパスは何度も敵に渡ってしまうんでしょう?
なーんとなく点が入った、というのは札幌の1点目も同じ。 わりといい位置のFKを貰い、アルシンドがとっくに退場してたから キッカーは後藤義一。ポーンと蹴った軌跡はDFの頭に当たらず、 そのまんまゴール。あまりにもフヌケな軌跡なんで、 オウンゴールと思っちゃったくらいです。 2点目はCKからズドン!の分かりやすい入れ方でした。 なんと、CKキッカーは浅沼ですぜ!そしてまんまとオテーロの頭に命中。 オテーロ、よかったよかった。次はフル出場できるといいね! しかし最近の札幌は、セットプレーでしか点が取れないように 思うのは気のせいでしょうか?
振り返るとこの試合、前半の立役者の代わりが後半誰か登場したか? がカギだったようです。 徳島は前半10番ジュニーニョの良さが光ってましたが、 後半の彼は残念ながら燃料切れ。 対して札幌は浅沼、後藤義一の代わりにキム、加藤が台頭したわけで。 試合後徳島サポーターの所に挨拶に行った際の世間話によると、 もともと選手層が薄い(ケガ人が多いらしいです)うえにレェの負傷リタイアもあり、途中交代起用を効果的にできないらしいです。
さて、勝っていよいよ待望の札幌初戦。 鳥栖戦ではセットプレー以外での得点が欲しいッス。
(記事提供:永井 謙一郎さん)
『もうジュニーニョに燃え燃え』
今回の徳島ではいいヤツ2人と会えましたです。
まずヴォルティスの10番ジュニーニョ。 バックスタンド・アウェイ側でサポートする我々の眼前で、 前半にジュニーニョが2度CKをしたのですが、蹴る直前に 敵サポーターの我々の方を振り向いて、不敵に笑ってウインクかましてきたのですよ。 挑発、という悪びれた態度じゃなく、「ふふ、坊やたち見てな。今からオイラが キミたちの腰を抜かしてやるからね」とヤンチャでイタズラっ気たっぷりの微笑み。 あの余裕ぶりは大したもんだぜ。悪いが俺はもうジュニーニョのファンに なっちまいましたぜ。 話によるとヴォルティスの外国人選手は「人格で選んで雇ってるのでは?」 と言われるくらい皆いいヤツとのこと。なんかいいなあ、そういうの。
で、2人目は審判です。 毅然とした身のこなし、レフェリング。ハンドとかファウルの判断も ラインズマンから見やすい位置だったら率直に彼らに尋ね、取り入れる明白性。 あれは多分、試合前ラインズマンと「ファウルについては遠慮なくドンドン見てくれ」 と打ち合わせをしっかりしてたんでしょうね。 よく通る声で「はい、スローインはそこから!」とリスタート位置をしっかり示し、 後半札幌がリードしてる場面で、富樫がなかなかスローインしないと、 迷うことなく遅延行為でイエローを出す素早さ。 その時も口で「遅延行為!」と理由を言うにとどまらず、さりげなく時計を指差し、 周りにも「これは遅延行為のイエローです」とジェスチャーまでしてくれたのです。 第7節の本田戦でちょっとマズい審判を直視したのが記憶に新しいだけに 審判がいいゲームを作ることもあるのだ、と目からウロコでした。 ぼくはこの徳島戦の審判と再会できたら、ぜひスシでもウナギでも 好きなものをオゴってやりたいです。
あ、札幌の選手の話が全然ない・・
(記事提供:永井 謙一郎さん)