試合会場の室蘭入江競技場には、開始1時間前の12時頃つきました。寒い、とにかく寒い。後で新聞などで確認したところ、この日の気温は結局、6度くらい。札幌から来た私は、室蘭は札幌より暖かいだろうと思っていましたが、これが大間違い。試合は鼻水すすりながらの観戦となりました。
テレビ中継も入ったこの試合(北海道での視聴率6.8%)、中継の入る前の会場の様子から説明しましょう。到着した12時頃には、向かって左側のゴール裏芝生席で、応援団の人が既に大声を出して応援をはじめておりました。初め50人くらいだったのが、リーダーの人達がバックスタンドまで行って、いっしょに応援しませんかと声をかけた所為もあって最終的には150人くらいになりました。この日、EVEなどのサポータークラブの人達の他に、浦和と清水の北海道支部の助っ人の応援団もたち、結構派手に応援していました。ちっちゃな子供たちも混じっていて、ほほえましかったです。私も取り合えず、その集団の右の方に座り込み観戦と相成りました。会場は結構人が埋まっていて、おっ、これは満員になるか?という感じでした。結局、最終的には6072人が来場したそうです。見た目、8割くらい埋まっていたような感じがしたのはひいき目だったんだろうか?。12時半になると、両チームの選手の紹介が大分の選手からアナウンスされましたが、今一聞き取りにくかったです。それでも、新加入の金が45番ということはわかりました。この頃から選手がでてきて、メインスタンド下で準備体操をはじめました。12時50分には、堀北海道知事の挨拶までありましたが、やっぱりマイクの音は聞き取りづらく何を言っているのか今一でした。そうこうしているうちに、1時になり試合開始です。
先発メンバーは以下のようになりました。
GK-白井
DF-村田、平岡、ペレイラ、平川
MF-浅沼、土田、吉原、オテ一ロ
FW-金、加藤
吉成が控えにもいなかったのは意外でしたが、まあこんなものでしょう。初先発の金(背番号45)が今日の見どころか。
試合の方はというと、立ち上がり、結構札幌が押していました。シュートも何本か打ちましたが、ゴールには至らず。金は180cm台と聞いていたほど、遠めには高く見えず。それでも、大分のキーパーはあまり、ハイボールに強くないようで、コーナーキックなどのボールを結構ポロッと後ろにそらしたりしていました。これなら、川合とツインタワーにして、センターリングをクロスにいれれば、いつか点が入るんじゃないかなあと考えながら見ていました。途中、ペレイラのフリーキックがバーをたたくなど、惜しいチャンスはありましたが、試合はジリジリと、時間だけ過ぎていくという感じで、何も無いうちに前半は終了しました。
ハーフタイムはソーラン節の踊りをハーフタイムショーとしてやっていました。また、堀知事がゴール裏応援団の所まで出向き、堀知事コールを受けてました。
さて後半です。私は観戦席をメインスタンド横に移動しました。後半11分、右ペナルティエリアのちょっと外で、相手フォワードとクリアしようと飛び出したキーパー白井が交錯。この時とられたハンドによるフリーキックから(白井はこのプレーでイエローをもらう)、ファンボカンにズドンと決められます。う~ん、大分相手に先取点は痛いぞ、このまま、ジリジリと行ってしまうのか、札幌。
後半13分、札幌は加藤に変えて川合を投入します。この川合投入が結構利きました。大分のキーパーはあまりハイボールに強い感じがせず、金と川合のツインタワーにボールを集める作戦が功を奏して、結構シュートチャンスが生まれます。それでも、川合が交代ばなのゴール正面でのドフリーのシュートチャンスで大きくクリアしてしまったのは、いただけなかったですけど。さらに、後半24分、土田に変えて新明、34分吉原に変えて、後藤を投入します。そして後半34分、左サイドからの平岡のロングスローに金がぴったり合わせて、同点ゴール。平岡のロングスローの威力というのをこの時、初めて知りました。このシュートシーンは鳥肌が立ちましたね。これで、競技場全体の雰囲気が変わりました。札幌頑張れと行ったムードと言うか、オーラというか、雰囲気が会場全体にあふれてきました。いわずもがな応援団はボルテージが最高潮。鳥肌たつこの雰囲気だけは、テレビを見てたって分かるものか。札幌の押し気味で、試合は進みましたが、決めることはできず、そのまま延長戦へ。
延長戦は、札幌押せ押せの雰囲気のまま進みます。札幌バックス陣はラインをセンターライン近くまで、押し上げていて、続け様に大分フォワードの攻撃をオフサイドトラップにかけます。延長前半だけで、4回くらいトラップをとったんじゃないでしょうか。私は、札幌のフラットフォーのディフェンスラインがあれほど機能していたときを見たことがありません。
そうこうしているうちに、延長前半12分、村田が切り込んで、キーパーと交錯、そのこぼれ玉に札幌フォワードが数人殺到して、体ごとゴールに押し込むと行った感じで、最後は川合が押し込みましたが、ボールがこぼれた所からゴールネットを揺するまでの間、時間が止まったような感じで、応援団はかたずをのんで見ていたと行った感じでした。審判の手が笛とともに上がって、センターサークルを指し示すと、競技場全体がわ~っといった感じで、総立ちの状態になりました。みんな口々に言うことは、勝った、勝ったと言うばかり。応援する人の中には涙を浮かべている人もいました。
とにかく勝った、好調4位の大分を下した意味は、これが北海道初戦であるということと共に大きい。よくぞやってくれた。意気揚々と家路につくのでした。
それにしても、室蘭は寒かった。北海道の試合を観戦する時は、防寒対策もしっかりやらないと行けませんね。
(記事:二上英樹)